BYDはなぜ強いのか(その1)

 テクノロジー情報サイトの「雷峰網」は、今盛り上がっている中国の新エネ車市場を振り返ってみると、それがテスラから始まり、NIO、Xpeng、理想を代表とするベンチャー系自動車新勢力により活気を付けられたが、結局段階的な勝利をおさめたのは伝統的な自動車メーカーのBYDであると、嘆いた。

 特にテスラを真似して知能化や自動運転に賭けて伝統的な自動車産業を覆そうとする勢いで世間に注目されたベンチャー系自動車新勢力は、新エネ車市場のアップルと期待されていたが、最近その存在感が薄れて、代わりにBYDに奪われつつある。

 販売台数の差を見ると一目瞭然である。NIOは設立から今年10月までの累計販売数が26万台、Xpengと理想はそれぞれ24万と22万前後であるのに対し、BYDは11月17日に300万を突破した。

 BYDは、なぜそんなに強いのか。誰もが抱えているこの疑問に対して、「雷峰網」は分析した。

 まず、BYDには、スーパーハイブリッドとブレードバッテリーの2つのコア技術を長年にわたって培ってきたためである。

 スーパーハイブリッド技術は、BYDのプラグインハイブリット車に搭載している効率の高い技術であるが、実は、トヨタのサポートを受けていた。「雷峰網」は、BYDのスーパーハイブリッド技術はハイブリッドの元祖トヨタと縁が深いと指摘している。

 BYDの最初のヒットモデルF3はカロラーのコピーと言われ、トヨタの技術を盗用した疑いのあるモデルであった。BYDもいつか訴えられるであろうと覚悟した。しかしBYDが待っていたのは、訴訟どころか、100人規模の技術者を勉強に来させてほしいとのトヨタのオファーであると会長の王伝福氏がのちにメディアに明らかにした。

 F3の人気でBYDは自動車業界での足場を固め、トヨタで学んだ基礎的なハイブリッド技術はその後のスーパーハイブリッドの基礎を築いた。

 つまりBYDの絶えない努力と独自の技術開発能力の向上もあるが、初期からトヨタのサポートを受けたBYDは、ハイブリッド技術が開発の段階で多くの試行錯誤を避けることができて、トヨタのサポートなしでは、今のBYDの技術はなく、BYDはある意味では他の地場メーカーよりラッキーであるといえよう。

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