フォードと吉利汽車(Geely)のスペインにおける協業の具体像が明らかになってきました。両社の協力計画によると、吉利はフォードのスペイン・バレンシア工場で新エネルギー車(NEV)を生産するほか、フォードも吉利の「GEA(Global Intelligent New Energy Architecture)」を採用し、新型コンパクトクロスオーバーSUVを開発します。
フォードと吉利は長期にわたる協議を経て、今年7月に協力協定を締結しました。協定に基づき、吉利はフォードのバレンシア工場にある組立ラインの1つを利用して自社モデルを生産します。同工場はここ数年、設備稼働率が低い状態が続いており、実際の生産台数は年間生産能力の4分の1未満にとどまっています。
現時点では、BEV(バッテリー電気自動車)の吉利「EX2」が最初に現地生産されるモデルの1つになるとみられ、その後もほかの新エネルギー車が追加される予定です。吉利はこれまでに、スペイン工場で2車種の新エネルギー車を生産し、最初のモデルを2028年にラインオフする計画を明らかにしています。
吉利汽車グループの安聡慧董事長(会長)はこのほど、決算説明会で、両社の協定に基づき、フォードも吉利のGEAアーキテクチャを採用して独自の新型車を開発することを確認しました。
現時点でフォードの新型車に関する情報は限られています。フォードは同モデルをコンパクトクロスオーバーSUVと位置付け、「マルチエネルギー」のパワートレインを設定する計画です。GEAはBEVやハイブリッド車など複数のパワートレインに対応しており、すでに吉利「EX5」などに採用されています。
デザイン面では、フォードの「ラリーの伝統を反映した」デザインと走行特性を採用します。吉利EX5や「Starray」などと一部の部品を共用するものの、フォード独自のエクステリアデザインを採用することで差別化を図ります。EX5とStarrayは、中国市場ではそれぞれ「銀河E5」と「星艦7」に相当します。
現在明らかになっている情報によると、車名未定のフォードの新型SUVは今後、バレンシア工場でフォード「Bronco(ブロンコ)」シリーズのSUVとともに生産される予定ですが、両モデルには異なるプラットフォームが採用されます。ブロンコシリーズの新型SUVは2028年に発売される見通しです。
両社が協業を初めて発表した際、吉利は、この協業プロジェクトでフォードブランドのマルチエネルギー車3車種を生産する予定であることも明らかにしていましたが、具体的な車種については公表していませんでした。これらのモデルは主に欧州市場向けとなる見通しで、具体的な商品計画については今後さらに明らかになるとみられます。
吉利汽車グループの南聖良副総裁はこれまでに、フォードとの戦略的協力について、両社によるオープンな協業の一環であり、吉利の欧州市場における事業展開をさらに推進するものだとしています。
