BYD「大漢EV」、航続距離1008kmをアピールも高速実走行では566km 達成率は3車種で最下位、波紋広がる

 10月13日、BYDは新型フラッグシップEVセダン「大漢EV」を発売しました。CLTCモードでの航続距離1008km、9分間の超急速充電技術、23万5,900元からの価格設定が市場の注目を集めました。大漢EVは大型フラッグシップEVセダンとして位置付けられ、全長5256mm、ホイールベース3130mm、車両重量約2.26トンで、容量102.3kWhの第2世代ブレードバッテリーを搭載しています。しかし、発売翌日に自動車情報サイト「汽車之家(Autohome)」が実施した高速道路での航続距離比較テストでは、同車の宣伝上の強みと実際の性能との間に大きな隔たりが浮き彫りになりました。

 10月14日、自動車情報メディアの「汽車之家」はBYD「大漢EV」、シャオミ汽車(小米、Xiaomi)の「SU7 Pro」、テスラ「Model 3」の3車種を対象に、高速道路での航続距離テストを実施しました。その結果、公称航続距離が最も長い大漢EVの実走行距離は566.4kmにとどまり、航続距離達成率は56.2%と、3車種の中で最下位となりました。 一方、シャオミSU7 Proは公称航続距離が大漢EVより106km短いにもかかわらず、実走行距離では112.2km上回り、達成率は75.2%に達しました。この結果を受け、BYDが宣伝する航続距離と実際の走行性能との大きな差に疑問の声が上がっています。

 今回のテストは、北京の首都地区環状高速道路(通称「大七環」)で実施されました。テストルートの全長は約1000kmで、制限速度は時速100~120km、ルート全体の標高差は約1600mに達します。

 関連報道によると、汽車之家は3車種を同一ルート、ほぼ同じ条件で走行させました。各車とも満充電の状態から出発し、エコモードを使用しました。また、それぞれ3人が乗車し、ライブ配信用の機材も搭載していました。

 注目すべきは、大漢EVの公称航続距離が1000kmを超える一方、高速道路での実走行距離は公称値を441.6km下回り、43.8%も短くなったことです。

 つまり、大漢EVは公称航続距離では優位に立っていたものの、今回の高速道路テストでは、その優位性を実際の走行距離に結び付けることができませんでした。「1000kmの航続距離」を重要なセールスポイントとしている新型車だけに、この落差が際立つ結果となりました。

 BYDは大漢EVの発売に際し、1008kmの長い航続距離、空気抵抗係数(Cd値)0.197という低空気抵抗性能に加え、「5分間で充電率70%、9分間で97%に達する」という超急速充電技術を重点的にアピールしていました。また、同車には「雲輦(YunNian)-A」デュアルチャンバー式エアサスペンション、後輪操舵システム、LiDARを用いた運転支援システムも搭載されており、23万5,900元からという価格設定とともに、技術面や装備面での優位性を打ち出しています。

 しかし、今回の高速道路テストでは、大漢EVは大容量バッテリーを搭載し、低い空気抵抗係数を実現しているにもかかわらず、こうした技術的な強みが、高速走行時の航続性能における目立った優位性にはつながりませんでした。