BYD、完成車輸送船10隻を追加発注 船隊は18隻に拡大、海外販売の急増で輸送能力を増強

 10月19日、中国メディアの報道によると、BYDの執行副総裁である李柯(Stella Li)氏はこのほど、インタビューで大型自動車運搬船(PCTC)10隻を追加発注したことを明らかにしました。海外向けの自動車輸送能力を拡大することが目的です。新造船の引き渡しが完了すると、BYDが運用する自動車運搬船は現在の8隻から18隻に増え、合計積載能力は13万台(CEU:標準乗用車換算)を超える見通しです。

 李氏は、世界的な自動車海上輸送能力の不足が、追加発注の主な理由だと説明しました。BYDはすでに専用船隊を整備し、欧州の海運会社とも協力していますが、海外販売の急速な拡大に伴い、現在の輸送能力では需要に対応しきれない状況にあります。さらに10隻を追加しても、将来的には輸送能力が不足する可能性があるとしています。

大型自動車運搬船10隻を追加発注、総額10億ドル超

 これまでに海運業界で報じられた情報によると、BYDが今回追加発注した10隻はいずれも大型自動車運搬船で、液化天然ガス(LNG)を使用できる二元燃料推進システムを採用し、1隻当たり8,000台以上の自動車を積載できます。

 一部の報道では、新造船の積載能力は1隻当たり9,200CEU、発注総額は10億ドル超、1隻当たりの価格は1億ドル超とされています。最近の一部海運メディアによると、新造船は2029年から2031年にかけて順次引き渡される見通しです。ただし、以前には2027年から2029年にかけて引き渡されるとの報道もあり、具体的な船舶仕様や納期については、造船会社による正式な確認が待たれます。

 建造は、中国船舶集団や招商局工業集団傘下の造船会社など、中国国内の造船所が担当すると報じられていますが、各社への発注隻数はまだ正式に公表されていません。

 なお、今回の発注に関しては、船舶の所有形態や運用方式についても情報が分かれています。一部では、BYDが専門の船主会社と協力し、長期リースなどを通じて輸送能力を確保する可能性が指摘されています。このため、追加される10隻すべてをBYDが直接保有するとは限りません。

既存の8隻がすべて就航、年間輸送能力は100万台超

 BYDは2022年から専用の自動車運搬船隊の整備を進めてきました。最初に導入した8隻への投資総額は約50億元とされ、2024年1月から2025年9月にかけて順次就航しました。

 この8隻は、「開拓者1号(Explorer No.1)」「常州号」「合肥号」「深圳号」「西安号」「長沙号」「鄭州号」「済南号」です。

 このうち「深圳号」などの大型自動車運搬船は、積載能力が9,200CEU、全長約220メートルで、16層の車両甲板を備え、LNG二元燃料推進システムを採用しています。

 2025年9月には、最後の「済南号」が正式に就航し、BYDは当初計画していた8隻の船隊整備を完了しました。これにより、理論上の年間輸送能力は100万台を超えています。

 今回の10隻の追加発注は、BYDの海上輸送戦略が、当初の基本的な輸出輸送能力の確保から、長期的かつ安定したグローバル物流体制の構築へと進んでいることを示しています。