BYD、LNGデュアルフューエルの自動車運搬船10隻を追加発注か 船隊は18隻規模へ

 BYDが、積載能力9200CEU(標準乗用車換算)の自動車・トラック専用船(PCTC)10隻を追加発注したと報じられています。すべてLNG(液化天然ガス)デュアルフューエル仕様で、完成すればBYDが運航する自動車運搬船は現在の8隻から18隻に増える見通しです。

 中国メディア「快科技」は9月13日、中東の海事専門誌「Robban Assafina」の報道を引用して伝えました。「Robban Assafina」は、サプライチェーン関係者やLinkedIn上の情報をもとに報じています。

9200CEU級を10隻、2027~2029年に順次引き渡しか

 報道によると、BYDが新たに発注したのは、1隻当たり9200CEUの積載能力を持つPCTCです。中国の国有企業、招商局集団傘下で造船・海洋エンジニアリング事業を手掛ける中国招商工業の金陵造船所と海門造船所で建造し、2027年から2029年にかけて順次引き渡す計画とされています。

 10隻はいずれもLNGデュアルフューエルを採用し、BYDがすでに運航している「BYD Shenzhen(深圳号)」と同クラスになります。

 9200CEU級は、現在運航されている自動車運搬船として最大級の船型です。関連報道では、これを上回る船として、中国船舶集団(CSSC)傘下の広船国際が韓国HMM向けに建造した1万800台積みのLNG燃料船が挙げられています。

 今回報じられた10隻がすべて就航した場合、BYDの自社船隊は計18隻となり、一度に輸送できる車両数は合計13万台を超える計算です。

2024年から自社船隊を拡充、現在は8隻体制

 BYDが自社の自動車運搬船を本格的に運航し始めたのは2024年です。

 同年1月、最初の自動車運搬船「BYD Explorer No.1」が中国・煙台港から出航しました。その後、常州号、合肥号、深圳号、西安号、長沙号、鄭州号、済南号を相次いで投入し、2025年までに8隻体制を構築しています。

 このうち深圳号は2025年4月に引き渡された船で、全長219.9m、全幅37.7m、16層のデッキを備えます。航海速力は19ノット、積載能力は9200CEUです。

 BYD以外にも、上汽集団(SAIC)、奇瑞汽車(Chery)、長安汽車などの中国メーカーが、自社向け自動車運搬船の導入を進めています。

海外販売の拡大に対応、海上輸送能力を強化

 BYDが船隊を拡充する背景には、海外販売と輸出台数の増加があります。

 2026年1~8月について、ある報道ではBYDの累計輸出台数が112万7000台となり、前年同期比で約90%増加したとされています。一方、別の報道では、同期間の海外販売台数を115万8000台とし、全販売台数の4割以上を占めたとしています。両者では集計対象が異なります。