BYD、「大漢」を投入へ――「大唐」と双璧、高級EV市場で上位進出狙う

 5月に入り、BYDの新型フラッグシップセダン「大漢」に関する情報が市場で急速に広がっています。最近では、実車スパイショットや内装情報、一部仕様の詳細が相次いで明らかになっており、現行「漢L」を上回る上位モデルとして、BYDが30万元超の高級セダン市場を本格的に攻略するための重要車種と位置付けられています。

 複数の情報によりますと、大漢は5月中に正式公開され、6月に価格が発表される見通しです。フラッグシップSUV「大唐」とともに、BYD王朝シリーズにおける「ダブルフラッグシップ」体制を構成するとみられています。

 現時点で公開されている情報を見る限り、大漢はDセグメント級のフラッグシップセダンとして開発されています。その特徴は大きく3点に整理できます。

 第一に、車格の大型化です。全長は5.2メートルを超え、ホイールベースも3.1メートル以上に達するとみられており、現行漢Lからさらにサイズアップする見込みです。

 第二に、高度なインテリジェント化です。大漢には「天神之眼B」と呼ばれる高機能運転支援システムが全車標準搭載され、LiDARも採用される見通しです。これは、BYDがこれまで比較的慎重だった運転支援戦略から、LiDARとカメラを組み合わせた業界主流のセンサーフュージョン方式へ段階的にシフトしていることを意味します。

 第三に、超長航続距離と超急速充電を軸とした次世代電動システムです。大漢には、BYDが現在重点的に展開している1000V高電圧プラットフォームとメガワット級超給装充電技術「閃充」が導入される見込みです。参考となる大唐EVの公開仕様では、最大1000kWの充電出力に対応し、10C対応の急速充電電池および1000A充電電流システムを採用しています。

 現在流れている情報によれば、大漢は常温環境下で「5分間で約400km分を充電可能」とされ、さらに「10%から97%までの充電を9分で完了できる」とも伝えられています。

 外観デザインについては、公開されたスパイショットやレンダリング画像から、BYD王朝シリーズ最新のデザイン言語を継承していることが確認できます。フロントには横一文字のLEDライトバー、分離型ヘッドライト、クローズドグリルを採用し、全体的なデザインは先に発表された大唐EVに近いスタイルとなっています。車両ルーフにはLiDARを搭載し、ドアハンドルには大唐と同様の半格納式タイプが採用されています。

 インテリアについては、現在判明している情報では、大漢と大唐の間で設計や部品の共通化が比較的進んでおり、ステアリング形状やセンターコンソール配置なども近い構成となっています。車内にはフローティング式センターディスプレイ、デジタルメーター、副助手席エンターテインメントディスプレイによる3画面構成が採用され、電子式コラムシフトやデュアルワイヤレス充電パネルなども装備される見込みです。

 パワートレインについては、BEV(純電動)版とPHEV(プラグインハイブリッド)版の両方が設定され、第二世代ブレードバッテリーおよびBYD最新のフラッシュ充電技術を搭載するとみられています。業界内では、BEV版の航続距離は1000kmを超え、PHEV版でもEVモード航続距離が400kmを上回る可能性があるとの見方が広がっています。

 もっとも、これらの数値は現時点では公式発表やリーク情報の段階にとどまっています。実使用環境における航続距離の再現性、高速走行時の電力消費、冬季の航続低下などは、依然として消費者の最大の関心事項です。特に中国の新エネルギー車市場では、CLTC基準と実走行条件との乖離が大きいことから、「1000km航続」に対するユーザーの見方は以前よりも明らかに慎重になっています。

 市場予想では、大漢の価格帯は30万~38万元程度に設定される可能性があります。この価格帯となれば、競合対象はBMW 5シリーズやメルセデス・ベンツEクラスなど、従来型高級車の中核市場に直接入ることになります。

 総じて見ると、大漢が示しているのは単なる新型車投入ではなく、BYDが技術、ブランド、市場ポジションの各面でさらに上位セグメントへ踏み込もうとしていることです。その商品戦略も、「高コストパフォーマンス型EV」から、「技術力による高級化推進」へと明確に変化しつつあります。

 ただし、実際に伝統的高級車市場を切り崩せるかどうかは、いくつかの重要な要素に左右されます。実航続距離や充電性能が公称値どおりに実現できるか、高度運転支援システムが安定した評価を獲得できるか、そして何より、BYDが価格帯に見合う高級ブランドとしての認知を確立できるかが最大の焦点となります。

 また、高級市場に参入すれば、消費者はアフターサービス体制、高級ブランドとしての顧客体験、中古車残価などについてもより厳しい目を向けるようになります。これらは従来のBYDユーザーにとって最優先事項ではありませんでしたが、高級車市場では長期的なブランド価値を左右する重要な要素となります。

BYD 大漢のスパイショット

写真:インタネット

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