CATL、新型動力電池と充電インフラを発表――超急速充電と高エネルギー密度を軸に技術展開

4月21日、CATL(宁德时代)は北京において「スーパー・テクノロジーデー」を開催し、複数の車載動力電池および充電関連技術を発表しました。具体的には、第三世代神行超充電池、第三世代麒麟電池、麒麟凝縮系電池に加え、それらを支える充電ネットワーク構想が示されています。全体として、同社の技術方針は「高倍率充電による充電効率の最大化」「高エネルギー密度化」、そして「充電システムの再構築」を軸としていることが読み取れます。

第三世代神行超充電池は、極めて高い充電速度を重視した製品であり、充電効率の最大化を主眼とした設計となっています。10C相当、ピーク15C相当の充電性能を持ち、常温環境では10%から35%まで約1分、80%まで約3分44秒、98%まで約6分27秒で充電が可能とされています。また、-30℃の低温環境下においても、20%から80%までの充電に要する時間は9分以上とされています。

同社CTOの高焕氏によれば、超高速充電における本質的な課題は「トリクル充電」ではなく、充電時の発熱(温度上昇)にあるとされています。温度上昇が大きいほど電池の劣化は進みやすく、これを抑制するためには内部抵抗の低減が重要となります。第三世代神行超充電池では平均内部抵抗が0.25mΩとされ、同種の超急速充電対応電池と比較して約50%の低減を実現したと説明されています。

こうした特性から、同電池は利用頻度の高い車両(配車サービス用途や長距離利用)や、充電時間の短縮が重視される用途に適していると位置付けられます。

一方、第三世代麒麟電池は、高エネルギー密度による航続距離および車両性能の向上を主目的とした製品です。同電池も10C相当、ピーク15C相当の充電性能を備えていますが、主な特徴はエネルギー密度にあります。体積エネルギー密度は600Wh/L、重量エネルギー密度は280Wh/kgとされ、航続距離は1000kmを超える水準が想定されています。125kWhの電池パック重量は約625kgで、リン酸鉄リチウム電池と比較して約255kgの軽量化が図られています。

電池の小型化により、車内空間にも一定の余裕が生まれるとされています。具体的には、体積が112L縮小され、これは20インチスーツケース約3個分に相当し、乗員の頭上空間も約18mm拡大するとされています。

耐久性の面では、1000回の超充電後でも容量保持率(SOH)が90%以上を維持するとされています。また、自加熱技術や「急速充電と電池交換を組み合わせた充電ソリューション」により、低温環境下での充電性能にも対応するとされています。

さらに、高性能用途を想定した第三世代麒麟「サーキット電池」は、10C相当の充電および最大3000kWの放電出力に対応します。本電池では「熱と電気の経路を分離する」構造が採用されており、熱マネジメントと電気系統を独立させる設計が特徴です。

同電池を搭載した車両では、加速性能、回避性能、制動性能などの運動性能の向上が見込まれるとされており、高級乗用車や長距離走行を前提とした車両、あるいは高性能モデルへの適用が想定されています。

同時に発表された麒麟凝縮系電池は、さらに高いエネルギー密度を志向した技術です。体積エネルギー密度は760Wh/L、重量エネルギー密度は350Wh/kgとされ、乗用車では約1500km(セダン)、大型SUVでは約1000kmの航続距離が想定されています。この技術はもともと電動航空機向けに開発され、4トンクラスの商用機で初飛行検証が完了しており、今後は8トン以上の機体での検証が予定されています。現在は車載用途への展開が進められていますが、量産時期やコストに関する詳細は示されていません。

電池単体に加え、同社は「急速充電と電池交換を統合した充電システム」も提示しました。この方式では、充電設備と交換設備が変圧器やモジュールを共有することでエネルギー変換の段階を削減し、従来の蓄電併設型充電方式と比べて電力損失を13ポイント以上低減できるとされています。また、交換ステーションと充電設備の間で電池を柔軟に運用することで、設備稼働率(約85%)や単一車位あたりのサービス能力の向上も図られるとされています。

インフラ整備については、2026年末までに約4000か所の「統合型充電ステーション」を整備し、約190都市および主要高速道路網をカバーする計画が示されています。さらに、自動車メーカーおよびエネルギー企業との連携により、2028年までに10万か所規模の充電ネットワークを構築する方針です。現時点での協業先として、長安汽車(Chang’an)、奇瑞汽車(Chery)、広汽集団(GAC)、賽力斯(SERES)、上汽通用五菱、北汽集団(BAIC)などが挙げられています。

また、電池技術の将来展開として、ナトリウムイオン電池についても言及がありました。同社は製造工程上の主要課題(含水管理、ハードカーボン由来の副反応、アルミ箔接合、負極形成など)を解決したとしており、年内の量産化を目指すとしています。

総じて、今回の発表は、高速充電性能、エネルギー密度、充電インフラの三領域における同社の技術開発の方向性を示すものとなっています。ただし、提示された充電時間や航続距離などの数値は特定条件下での測定やメーカー想定に基づくものであり、実際の使用環境における性能は車両仕様や電力インフラ、外部環境などに依存すると考えられます。

CATL「スーパー・テクノロジーデー」で発表された製品

画像:CATL

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