福耀、ソーラーサンルーフを量産へ 1平方メートル当たり150W発電、BYD車への搭載も

 中国のガラス大手、福耀集団(Fuyao Group)の公式サイトでこのほど、自動車向けサンルーフ製品に「ソーラーサンルーフ」のカテゴリーが新たに追加され、注目を集めています。同製品は、自動車用ガラスの中間層に太陽電池モジュールを組み込み、太陽光を電力に変換して車載電装品の補助電源として活用するものです。福耀はすでに、ソーラーサンルーフ用ガラスの量産体制を整えています。

 ソーラーサンルーフは、ガラス内部に太陽電池モジュールを組み込んだ構造となっています。太陽光が太陽電池の半導体PN接合に当たると、PN接合の両側に電圧が生じ、電流が流れることで発電します。

 福耀の公式動画によると、同製品は1平方メートル当たり150Wの出力が可能で、複数の車載電装品に継続的に電力を供給できます。具体的には、換気システムを稼働させて車内の空気を循環させるほか、コネクテッドカー機能を常時接続状態に保ち、ドライブレコーダーにも給電することで、24時間の車両監視を可能にします。

 構造面では、「ガラス―接着フィルム―太陽電池層―接着フィルム―ガラス」の5層からなる合わせガラス構造を採用し、太陽電池モジュールをガラスの中間層に組み込んでいます。外観は一般的なパノラマサンルーフとほぼ変わりません。

 一部メディアによると、同製品の光電変換効率は23.18%で、車両全体の最大出力は720Wに達します。理想的な日照条件では、8時間の駐車で2~5kWhを発電でき、航続距離に換算すると約20~50km分に相当するとされています。また、中国南部の夏季に行われた実測では、発電量が4.2~4.8kWhに達し、約50~70km分の航続距離に相当したとされています。

 また、発電機能に加え、同製品は70%以上の可視光透過率を維持しながら、紫外線を99%、赤外線を68%遮断できます。夏季に屋外駐車した場合、車内温度を約15度低下させることができ、エアコンの消費電力削減にもつながるとされています。

 福耀はこれまでも、投資家向けの質疑応答プラットフォームでソーラーサンルーフの開発状況を明らかにしています。今年3月27日には、太陽光発電技術と自動車用途の融合で具体的な進展を遂げており、太陽電池モジュールを組み込んだソーラーサンルーフ用ガラスを開発し、すでに量産能力を備えていると説明しました。

 また、福耀はBYDとも協業を進めていると報じられています。両社が共同開発した「太陽光発電一体型スマートサンルーフガラス」は、2026年2月に車載規格に基づく検証を終え、量産を開始しました。当初はBYDの「漢(HAN)」や「唐(TANG)」などフラッグシップモデルの上級グレードへの搭載を計画しており、その後、「秦(QIN)」「宋PLUS(SONG PLUS)」「ドルフィン(DOLPHIN)」など、10万~20万元クラスの量販モデルにも順次展開する計画とされています。

 さらに、同ソーラーサンルーフのオプション価格は8,000元で、ガラス、コントローラー、取り付け費用が含まれます。約2万元とされる海外の同種システムと比べ、60%以上安い水準となっているとの報道もあります。

製品原理

ガラス内部への太陽電池モジュールの組み込み。太陽光が太陽電池モジュールの半導体PN接合に当たることで生じる、PN接合両側の電圧と電流。これによる太陽電池の発電と車両への電力供給。

出典:福耀集団公式サイト