BMW、中国で現行EV3車種の生産終了へ 新世代モデルへの移行を加速

このほど、「BMWが7月から中国で生産するi3、i5、iX1などのEVモデルの生産を全面的に終了する」との情報が報じられました。これに対し、BMWは6月18日、今回の措置は市場需要の変化や製品ライフサイクル管理、生産計画に基づく通常の生産調整であり、中国におけるEV事業からの撤退を意味するものではないと説明しました。
BMW関係者によると、今回の既存国産EVモデルの生産終了は、新世代(Neue Klasse)モデルの現地生産開始に向けた準備の一環です。生産能力や経営資源を再配置し、新型車の導入に向けた生産体制を整備することが主な目的だといいます。
また、この調整は通常のEOP(End of Production、生産終了)プロセスに基づくもので、生産ラインの切り替えが中心となります。市場には引き続き対象車種の在庫が供給されるため、消費者は今後もこれらの車種を購入できます。さらに、既存オーナーや購入者向けのアフターサービス、メンテナンス、各種ユーザー特典などにも影響はないとしています。
今回生産終了となる現行の国産EVモデルはいずれも、BMWのCLARプラットフォームをベースに開発された車種です。いわゆる「ガソリン車ベースのEV(油改電)」に分類されます。このような内燃機関車と共通のプラットフォームを採用したEVは、中国市場では必ずしも高い支持を得られていません。
その結果、BMWの中国市場における新エネルギー車の販売比率は伸び悩んでいます。2026年第1四半期におけるi3、i5、iX1の合計小売販売台数は5,680台でした。同期間におけるBMWの新エネルギー車販売比率は6.6%にとどまり、中国自動車市場全体の新エネルギー車普及率である54.1%を大きく下回っています。
また、新エネルギー車分野で販売を牽引する主力モデルを欠いていることも、近年の中国市場における販売低迷の一因とみられています。BMWの中国販売台数は、2023年が82万5,000台、2024年が71万4,500台(前年比13.4%減)、2025年が62万5,500台(同12.5%減)でした。2026年第1四半期の販売台数は14万4,000台となり、前年同期比10%減となっています。
こうした製品ラインアップの見直しを進めるなか、後継モデルとして新世代BMW iX3ロングホイールベース仕様が2026年後半に発売される予定です。生産は華晨BMWの瀋陽工場で行われます。
同モデルは800V高電圧アーキテクチャーと第6世代BMW eDrive電動パワートレインを採用し、108kWhの円筒形バッテリーを搭載します。BMWによると、CLTC基準での航続距離は900kmを超え、10分間の充電で約400km分の航続距離を回復できるとしています。
運転支援機能については、BMWとMomentaが共同開発したドライビングアシスタンスシステムを搭載します。17.9インチのセンタータッチディスプレイ、3Dヘッドアップディスプレイ、BMW Operating System Xを採用する予定です。
また、新世代BMW i3ロングホイールベース仕様についても現地生産計画が進められています。2026年北京モーターショーの開幕に先立ち、新世代BMW iX3ロングホイールベース仕様、新世代BMW i3ロングホイールベース仕様、および新型BMW 7シリーズが中国で世界初公開されました。このうち、新世代BMW i3ロングホイールベース仕様のCLTC航続距離は1,000kmを超える見込みです。
BMWの計画によると、新世代モデルの発売後24カ月以内に、同プラットフォームを採用した少なくとも6車種を投入する予定です。車種構成はコンパクトSAVから中大型セダンまで幅広くカバーするとしています。
さらに今後、新世代技術はBMWの全ラインアップへ順次展開される予定です。BMWは2027年までに40車種以上の新型車および改良モデルを投入する計画を示しています。