EU、中国製PHEVへの追加関税を検討 対中通商措置の拡大も視野

ドイツの「ハンデルスブラット(Handelsblatt)」が6月19日に報じたところによると、欧州委員会は中国から輸入されるプラグインハイブリッド車(PHEV)に対し、新たな関税を課すことを検討しています。関係者によれば、関連する準備作業はほぼ完了しており、EU加盟国の過半数の支持が得られれば、欧州委員会は速やかに手続きを開始できる見通しです。

報道によると、今回の措置の対象として想定されているのは、BYD、奇瑞汽車(Chery)、上海汽車集団(SAIC)などの中国メーカーが生産するPHEVです。EU側は、2024年11月に中国製バッテリーEV(BEV)に対する反補助金関税を導入して以降、中国メーカーの対欧輸出構成に変化が生じ、PHEVの輸出が急速に拡大するとともに、欧州市場でのシェアを伸ばしているとみています。

関係者によれば、新たな関税が導入された場合、その税率は現在、中国製BEVおよびレンジエクステンダーEV(EREV)に適用されている反補助金関税の枠組みに準じる可能性があります。具体的には、EU共通の輸入関税10%に加え、最大35%程度の追加関税が課される可能性があるとされています。

これに対し、欧州委員会は報道内容について具体的なコメントを避け、「コメントしない」との立場を示しました。

EUが中国製PHEVへの関税適用拡大を検討しているとの観測が浮上するのは今回が初めてではありません。今年1月には、欧州のニュースサイト「Euractiv」が、欧州委員会が中国製PHEVに対する貿易救済措置を検討していると報じていました。

自動車分野にとどまらず、EUでは対中貿易政策全般の見直しについても議論が進められています。

ロイター通信によると、EU首脳は6月18日にブリュッセルで開かれた首脳会議で、いわゆる「世界経済の不均衡」を巡り主要な貿易相手国との対話を進めることに合意するとともに、新たな貿易措置の必要性について検討する方針を確認しました。

首脳会議の結論文では中国への直接的な言及は避けられたものの、EUと中国の通商関係は主要議題の一つとなりました。EU側は、EUと中国の経済・貿易関係は極めて重要である一方、現在の貿易不均衡の問題については、より具体的な進展が必要であるとの認識を示しています。

また、複数の欧州メディアによると、EUは新たな通商政策ツールの導入も検討しています。関税や輸入枠(クオータ)といった従来の貿易措置の適用範囲拡大に加え、米国の「通商法301条」に類似した調査制度の創設も視野に入れているとされています。EUは、いわゆる「過剰生産能力」や「不公正な競争」への対応を目的としていると説明しています。

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