中国、リチウムイオン電池への消費税を再導入 NEV向け税制優遇を段階的に縮小へ

 7月16日、中国財政部、税関総署、国家税務総局は共同で公告を発表し、2026年9月1日から一部の電池製品に対する消費税政策を段階的に見直す方針を明らかにしました。これにより、10年以上にわたって続いてきたリチウムイオン電池に対する消費税の免税措置は、正式に終了へ向かうことになります。

 中国では今年、新エネルギー車(NEV)の車両購入税が全額免除から半額免除へと縮小されたほか、一部のNEVを対象とする車船税の優遇措置も廃止される予定です。これにリチウムイオン電池への消費税の再導入が加わり、NEV向けの税制優遇措置は段階的に縮小・廃止されつつあります。一連の見直しは、自動車税制が「油電同権」、すなわちガソリン車と電動車の税負担の公平化に向けて、さらに動き出したことを意味します。

リチウムイオン電池にまず2%を課税、1年後に4%へ

 公告によると、2026年9月1日から、水銀を含まない一次電池、ニッケル水素蓄電池、リチウム一次電池、リチウムイオン蓄電池、バナジウム・レドックスフロー電池に対し、2%の消費税が課されます。2027年9月1日からは、税率が4%に引き上げられます。

 太陽電池への課税再開は、これらの電池よりも遅く設定されています。2027年4月1日から2%の消費税が課され、2028年4月1日から税率が4%に引き上げられます。

 一方、まだ大規模な量産に至っていない一部の新型電池については、期限付きの免税措置が継続されます。2026年9月1日から2028年12月31日まで、ナトリウムイオン電池、全固体電池、燃料電池のほか、太陽電池のうちペロブスカイト型、タンデム型、ガリウムヒ素型について、消費税が免除されます。減免措置の対象となる電池製品は、それぞれ該当する国家標準を満たす必要があります。

10年以上続いた免税措置はなぜ終了するのか

 2015年1月末、中国財政部と国家税務総局は「電池および塗料に対する消費税の課税に関する通知」を発表しました。これに基づき、同年2月1日から電池を消費税の課税対象に加え、生産、加工委託、輸入の各段階に4%の税率を適用しました。

 ただし、水銀を含まない一次電池、ニッケル水素蓄電池、リチウム一次電池、リチウムイオン蓄電池、太陽電池、燃料電池、バナジウム・レドックスフロー電池の7種類については、消費税を免除してきました。

 業界関係者によると、当時、中国の電池産業はまだ育成段階にあり、免税措置には、環境負荷の低い電池産業の発展を後押しする狙いがありました。それから10年以上が経過し、中国は世界最大のリチウムイオン電池の生産国・消費国となりました。関連技術の成熟が進み、用途が拡大するとともに、サプライチェーンも一段と整備されています。

 また、NEVの市場浸透率はすでに60%を超えており、電池産業を取り巻く事業環境や発展段階は、政策導入当初から大きく変化しています。

1年間の移行期間を設け、段階的に税率を引き上げ

 今回の見直しでは、リチウムイオン電池などの税率を直ちに4%へ戻すのではなく、1年間の移行期間が設けられました。2026年9月からまず2%を課し、2027年9月から4%へ引き上げます。

 コスト面について、証券業界のアナリストは、現在のリチウムイオン電池セルの価格が1Wh当たり約0.35~0.4元であり、2%の消費税による影響は1Wh当たり約0.007~0.008元に相当すると試算しています。

 税率が2~4%の場合、完成車1台当たりのコスト増加額は数百元程度にとどまる見通しで、これまでのリチウム原材料価格の変動が完成車コストに及ぼした影響を下回るとみられます。

 このため、課税再開がNEVの販売価格に直接及ぼす影響は比較的限定的と予想されます。ただし、政策が示す方向性はより重要です。NEVとリチウムイオン電池の市場規模が拡大するなか、関連産業は税制優遇への依存度を徐々に低下させる段階に入りつつあります。

NEV向け税制優遇措置の見直しが本格化

 リチウムイオン電池への消費税の再導入は、今年に入って実施されたNEV関連税制における単独の見直しではありません。

 2026年1月1日から、NEVの車両購入税は全額免除から半額免除へと変更され、5%の税率が適用されています。減税額の上限は1台当たり1万5,000元です。

 また、財政部、国家税務総局、工業情報化部は7月3日、2027年1月1日から、省エネルギー車を対象とする車船税の半額免除措置を廃止すると発表しました。同時に、バッテリーEV(BEV)商用車、プラグインハイブリッド車(PHEV)およびレンジエクステンダー車(EREV)の商用車、燃料電池商用車を対象とする車船税の免税措置も廃止します。15年間にわたって実施されてきたNEV向け車船税の優遇措置は、終了に向けた段階に入りました。

 NEVの車両購入税の半額免除、一部車種を対象とする車船税の優遇措置の廃止、そして今回のリチウムイオン電池に対する消費税の段階的な再導入と、NEVが享受してきた税制優遇措置は、一定の移行期間を設けながら順次縮小・廃止されています。今後は、ガソリン車と電動車の税負担をどのように調整するかが、自動車税制の見直しにおける重要な論点となります。

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