AI データセンターの需要拡大、大出力ディーゼルエンジン市場に追い風

近年、データセンターの建設ブームと世界的な電力不足が相まって、発電事業が内燃機関業界における今後最大の成長ドライバーとなっています。高出力のディーゼル・ガス発電機に対する需要も急拡大しています。

中国通信業協会のデータによると、2025年の中国国内におけるデータセンター向けディーゼルエンジンの需要台数は約5,600~6,000台に達し、今後2~3年で倍増する見通しとなっており、市場の活況が続いています。現在、世界のAIデータセンター用ディーゼル発電機市場はMTU、キャタピラー、カミンズの大手3ブランドが主導しており、高級市場において約65%のシェアを占めています。一方、中国では近年、ウェイチャイ・パワー(濰柴動力)がこの成長市場における新たな有力プレイヤーとして台頭しています。

ウェイチャイ・パワーが最近公表した決算情報及び各種調査データによると、2025年の同社発電用内燃機関の総出荷台数10万台を突破しました。なかでもデータセンター専用機の需要が急増し、生産ラインはフル稼働の状態が続いています。特にデータセンター向け大出力エンジンの業績が顕著で、2025年の出荷台数は1,400台に達し、前年比259%の大幅増となりました。

2026年に入ってからも、同社の同事業における高成長は継続しています。第1四半期の実績によると、データセンター専用エンジンの出荷台数は500台を超え、前年比増加率は240%を上回りました。この期間中、出力2,200kWクラスのデータセンター用予備電源装置複数台が広東省韶関市の通信事業者向けプロジェクトに納入され、中核を担う演算インフラの整備に貢献しています。また、5月上旬に実施された機関投資家向け取材でも同事業の高い成長力が改めて確認され、100社を超える投資機関から注目を集めています。

逼迫した需給状況を受け、ウェイチャイ・パワーは大規模な生産能力拡張を推し進めています。現在、高級向け大出力エンジンの生産ラインは稼働を開始し、生産能力を段階的に引き上げる段階に入っており、受注残も潤沢な状態です。同社は2026年のデータセンター専用エンジン年間出荷目標を3,500台に設定し、年末までに生産能力を5,000~6,000台まで拡張する計画を発表し、国内外における需要拡大に対応できる体制を整えています。

データセンターはAI演算を支える基盤インフラであり、電力供給の連続性に極めて高い水準が求められます。一般的にデータセンターは商用電源を2系統導入していますが、突発的な停電リスクを完全に払拭することはできません。無停電電源装置(UPS)は瞬間的な給電にしか対応できず、長時間にわたる演算稼働を支えることは困難なため、高出力ディーゼル発電機が欠かせない非常用予備電源となっています。こうした必須のニーズから、大出力発電用エンジンの受注は増加し続けています。

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