相乗りサービスのドライバーが高速道路で居眠り 運転支援機能の乱用事例が相次ぐ

6月17日、高速道路でスマート運転支援機能(ADAS)を使用中の相乗りサービスのドライバーが、運転中に繰り返し居眠りをしていた事案が明らかになり、大きな注目を集めています。

広東省の利用者である陳さんによると、6月14日夜、友人2人とともに「哈啰順風車」(ハロー相乗りサービス)を利用して広東省湛江市徐聞県から深圳市羅湖区へ向かっていたところ、ドライバーは高速道路を時速100km超で走行しながら頻繁に運転支援機能を起動し、何度も目を閉じて眠り込んでいたといいます。

陳さんによれば、移動中の約95%の時間にわたって運転支援機能が使用されており、その間にドライバーは少なくとも6回居眠りをしました。乗客が何度注意しても、ドライバーはスマートフォンでチャットや動画視聴を続け、たびたび両手をハンドルから離していたといいます。危険を感じた陳さんは移動中に警察へ通報し、警察の指示に従ってリアルタイムの位置情報を送り続けました。

また、ドライバーは頻繁にルートを間違えたり、充電計画の変更によって遠回りを繰り返したりしたほか、乗客から安全面について指摘された後には、一時的に速度を150km/hまで引き上げたとされています。車両は15日未明に深圳へ到着し、現場にはすでに警察官が到着して対応に当たりました。

事案が報じられた後、ハロー側は直ちに調査を開始し、当該ドライバーの行為は危険運転に該当し、プラットフォームの安全基準に重大に違反すると判断したと発表しました。これを受けて、同ドライバーのアカウントは永久停止処分となりました。あわせて利用者に謝罪するとともに、運賃の返金や補償について協議を進めていると説明しています。

もっとも、このような運転支援機能の不適切な利用は今回が初めてではありません。配車サービスや相乗りサービスのドライバーが、運転支援機能を使用したまま居眠りをするケースは近年相次いで報告されています。

2025年4月には、杭州から浦東空港へ向かうハロー相乗りサービスを利用した乗客が、テスラ車を運転していたドライバーが高速道路上で運転支援機能を起動した後、終始眠り込んでいたと訴えました。速度は約100km/hに達しており、乗客は咳払いをしたり電話をかけたりして何度も注意を促しましたが、ドライバーは目を覚まさなかったといいます。車線変更の際には乗客が注意を促す場面もあり、最終的には高速道路を降りる際にサービスエリアのガードレールに接触しかけたところでようやく目を覚ましたとされています。事後、プラットフォーム側が5元分のクーポンのみを補償として提示したことに対し、利用者や世論から批判の声が上がりました。

同じく4月には、「滴答順風車」(Dida相乗りサービス)のドライバーが、運転支援機能を使用しながら両手をハンドルから離し、走行中に爪を切っていたことが明らかになりました。乗客が通報したものの、当初プラットフォーム側は迅速な対応を取らず、報道機関が取り上げた後になってようやく当該アカウントを停止処分としました。

さらに2026年5月には、山東省の利用者が「滴滴順風車」(DiDi相乗りサービス)を利用して瀋陽へ向かう途中、高速道路上でドライバーが運転支援機能を起動した後、シートを倒して眠り込み、いびきをかいていたとの事案も報告されています。乗客からの指摘に対し、ドライバーは「車両性能を熟知しており、これまで問題は起きていない」と説明しました。その後、DiDiのカスタマーサービスは、相乗りサービスでは原則として運転支援機能の利用を認めていないものの、ドライバーの多くが副業として参加していることから、現時点ではリアルタイムで監視する技術的手段が不足しており、このような違反行為を即座に把握・阻止することは難しいと認めました。

このように、複数のプラットフォームで、高速道路走行中に運転支援機能を利用しながら居眠りをしたり、スマートフォンを操作したり、爪を切ったりするなどの危険行為が相次いで確認されています。こうした事例は、一部ドライバーの間で運転支援システムに対する誤った認識や過度な依存が広がっている実態を浮き彫りにしています。

法律関係者からは、高速道路のような高リスク環境で運転支援機能を起動したまま居眠りをする行為は、実質的に運転者としての管理責任を放棄したものであり、危険運転に該当する可能性があるとの指摘も出ています。万が一事故が発生した場合には、行政処分や民事上の損害賠償に加え、刑事責任を問われる可能性もあります。

一方で、「運転支援機能の使用中に両手をハンドルから離す行為」や「居眠り運転」に対する統一的かつ明確な処罰基準は、中国では依然として整備途上にあります。実際の取り締まりでは、速度超過や疲労運転、違法な車線変更といった個別の交通違反に基づいて処分が行われるケースが多く、「ハンズオフ運転」そのものの認定や処罰については、なお曖昧な部分が残されています。

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