AITO M9が金属異物に衝突して炎上――メーカーは「三電システムは正常」と説明、EVの安全性を巡る議論が再燃

6月3日午前、浙江省台州市沢国鎮で、AITO(問界)M9が走行中に出火する事故が発生しました。関連動画は瞬く間にインターネット上で拡散され、大きな注目を集めました。
現場映像によると、車両の底部から明らかな火の手が上がっていました。情報によれば、車両は走行中に前方車両から落下した大型の金属部品を踏みつけ、その異物が車体下部に挟まったまま引きずられ、その後出火したとされています。
AITO M9の火災事故現場

写真:インタネットより
事故発生から間もなく、AITOのユーザーサービス部門が状況説明を発表しました。同社によると、初期調査の結果、事故当時車両は正常に走行しており、前方車両から落下した大型の金属物体に衝突したことが確認されたとのことです。異物は車両底部に挟まり、そのまま引きずられたことで激しい摩擦と高熱が発生し、周辺部品に引火して火災につながったと説明しています。
またAITO側は、事故発生前の三電システム(バッテリー、モーター、電動制御システム)は正常な状態であり、車両自体にもその他の異常は確認されていないとしています。火災は速やかに消し止められ、人的被害は発生しませんでした。
関係当局による最終的な調査結果はまだ公表されていませんが、AITOが事故当日に初期調査結果を公表したことから、その対応の速さも話題の一つとなっています。
公式説明が発表されると、事故原因を巡る議論は主にいくつかの点に集中しました。車両が衝突したのは比較的大きな金属物体だったとされる中で、ドライバーは事前に障害物を発見できなかったのか、また車両に搭載されているLiDAR(レーザー測距センサー)や先進運転支援システムの認識機能は、この異物を検知できなかったのかという点です。さらに、なぜ異物を引きずった後に出火したのかについても疑問の声が上がっています。
一部のネットユーザーは、今回の事故は外部からの金属異物による特殊なケースであり、メーカーも三電システムに異常がなかったことを説明しているうえ、人的被害も発生していないことから、M9の安全設計は十分機能したとの見方を示しています。
一方で、これに同意しないユーザーからは皮肉交じりの意見も出ています。
「事故なのに美談のように扱うのか。火災が起きたのに称賛しなければならないのか。これもまたAITOにとっての好材料だというのか」
また別のユーザーは、「車体下部を何かにぶつけること自体は珍しいことではない。しかし実際に火が出ているのに、『三電システムは正常だった』と言われても納得できない。爆発しなければ先進的だということなのか。異物が大きかったというのであれば、高性能な各種センサーはどこに行ったのか」と疑問を呈しています。
さらに、「三電システムが正常かどうかは本質的な問題ではない。重要なのは、なぜ火災が発生したのかという点だ」との意見も見られました。
今回の事故については、出火原因に関する初期説明はすでに示されています。しかし、道路上の落下物に対する認識能力、先進運転支援システムの実際の性能、そして電気自動車の安全性を巡る議論は、今なお続いています。
ファーウェイ/SERES AITO M9

写真:AITO