EVの安全に関する2つの新国家標準が7月1日に施行へ――「ワンボタン電源遮断」を初めて物理的遮断装置として規定

7月1日より、強制国家標準である「電気自動車安全要求」(GB18384—2025、以下「EV安全新国標」)および「電気自動車用動力蓄電池安全要求」(GB38031—2025、以下「電池安全新国標」)の2規格が正式に施行されます。

EV安全新国標では、車両全体の高電圧回路、または駆動システムと充電式エネルギー貯蔵システムとの間の高電圧回路を物理的に遮断できることを求めています。また、「ワンボタン電源遮断」装置を初めて物理的遮断装置として定義し、従来のソフトウェア制御に依存した電源遮断方式に代わるものとしました。これにより、事故発生時の救援活動における信頼性と迅速性の向上が期待されています。

さらに、車両が停止中で充放電を行っていない状態において、ドライバーが1回の操作(タッチまたは長押し)で当該機能を作動できることも求められています。

また、EV安全新国標では、整備時の回路遮断装置に関する要件も改訂されました。車両には、高電圧整備遮断装置または低電圧整備遮断装置を備える必要があります。

このうち、高電圧整備遮断装置については、IPXXB(指による接触を防止する人体保護等級)の要件を満たすこと、または遮断後1秒以内に充電部の電圧を安全な範囲まで低下させることが求められます。一方、低電圧整備遮断装置については、容易に識別できる明確な表示を備えることが求められ、B級電圧回路は当該装置の遮断後10秒以内に安全電圧範囲まで低下しなければなりません。

電池安全新国標では、試験対象となる電池の温度条件、通電状態および遮断状態、観察時間、車両試験条件などがさらに明確化されました。技術要件については、従来の「発火・爆発の5分前までに熱暴走警報信号を発すること」から、「発火せず、爆発しないこと(警報は必要)」へと改められています。また、発生する煙が乗員に危害を及ぼさないことも求められています。

さらに、新たに底部衝撃試験が追加され、電池底面が衝撃を受けた際の保護性能を評価します。また、急速充電サイクル後の安全試験も新設され、300回の急速充電サイクルを実施した後に外部短絡試験を行い、発火や爆発が発生しないことが求められます。

このほか、電池安全新国標はEV用の動力電池を対象とし、駆動用途ではない電池には適用されないことを明確化しました。また、絶縁抵抗に関する要件を見直し、交流回路を含む電池システムの絶縁抵抗要件を追加しています。さらに、圧壊試験の要件も強化され、絶縁抵抗に関する判定条件が新たに追加されました。

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