Gotion、VW傘下のスペイン電池工場への出資を協議 過半数取得案も浮上

スペインの自動車業界メディア「La Tribuna de Automoción」が7月29日に報じたところによると、フォルクスワーゲン(VW)傘下の電池子会社PowerCoは、中国の車載電池大手Gotion High-tech(国軒高科)と、スペイン・バレンシア州サグントにある電池セル工場へのGotionの参画について協議しています。
VWは2022年、欧州におけるグループの電池事業を推進するため、完全子会社としてPowerCoを設立しました。PowerCoが建設・運営を担うサグント工場は、2023年に着工が発表され、現在は稼働開始に向けた準備段階にあります。VWが公表した計画によると、同工場の当初の年間生産能力は40GWhで、将来は60GWhまで拡大することが可能です。VWが独自開発した標準電池セルを生産し、欧州で製造する同社の電気自動車(EV)向けに供給する予定です。報道によると、2026年中に稼働を開始し、その後、段階的に生産能力を引き上げる計画で、約3,000人の雇用創出が見込まれています。PowerCoはサグント工場のほか、ドイツのザルツギッターでも電池工場を建設しています。
報道によると、両社は数カ月にわたって協議を続けており、現在はサグント工場に合弁会社を設立し、Gotionが過半数の株式を取得する一方、PowerCoが一部の株式を保有して工場の運営に引き続き関与する案が検討されています。ただし、PowerCoの広報担当者は、現時点で同工場の経営権を譲渡する計画はないと説明しています。
Gotionの李縝董事長兼最高経営責任者(CEO)は、経営陣を率いてサグント工場を視察し、PowerCoの経営陣と工場運営や技術面での適合性、事業化の可能性などについて協議したと報じられています。現段階の交渉対象はサグント工場に限られ、PowerCoのその他の電池事業は含まれていません。
Gotionは、スペインにおける電池関連投資の拡大も計画しています。報道によると、同社はバリャドリードに約9億5,000万ユーロを投じ、電池用正極材の生産拠点と電池リサイクル工場を建設する方針で、2027年の着工を予定しています。スペイン政府は、復興・変革に向けた戦略的プロジェクト(PERTE)を通じ、これらの事業に約1億3,800万ユーロの補助金を交付する計画です。
VWとGotionは、すでに資本・業務提携関係にあります。VWは2020年、Gotionに約11億ユーロを出資すると発表し、現在は同社株式の約26%を保有しています。両社は2021年以降、ザルツギッター拠点で電池セル技術に関する協力を進めています。
現時点で両社は、サグント工場を巡る協議の具体的な内容を公表していません。合意に至るかどうかや、合弁会社の出資比率については、引き続き協議の行方を見極める必要があります。