「ゾンビスタンド」温存、充電企業は利益を上げることが困難

新エネルギー自動車市場の拡大に伴い、充電スタンドの数は増加している。しかし、新エネルギー自動車全体の保有台数が総じて少なく、充電スタンド企業が前期に盲目的に拡張したなどの要因により、充電スタンドの利用率は依然として高くなく、一部の地域では「ゾンビスタンド」の現象さえ現れている。他方、様々な要因により、十分に充電できない新エネルギー車ユーザーも少なくない。

第一財経記者はこのほど、河北省保定市で充電スタンドをスマホで検索したところ、ある大型観光ホテルの駐車場が見つかった。「ここの充電スタンドは2年前に取り壊された」と同ホテルの警備員は記者に対し、「以前、充電スタンドがあった時、ここに充電に来るユーザーは少なくなかったが、駐車時間が長く、ホテルの駐車スペースが逼迫していたため、2年前に充電スタンド企業との提携契約を取り消した」と話した。

記者は充電スタンドを訪れたところ、多くのホテルの駐車場にあった充電スタンドが撤去された。また多くの公共充電ステーションでは、充電中の車両は新エネルギータクシーで、自家用新エネルギー車の姿はなく、多くの充電スペースが空いている。

別の新エネルギー車ユーザーは記者に、公共充電スタンドでの充電時間は個人充電スタンドより短いが、1時間以上待たなければならないため、近くに時間をつぶす施設はなければ、自宅に帰って充電するのが一般的だと語った。

しかし、充電スタンドの利用率は地域によって異なることが分かった。北京などの登録規制の都市では、新エネルギー車の台数が比較的に多いため、都市中心部では公共充電スタンドの利用率は他の都市より高い。それでも記者は中心部から離れているエリアで「ゾンビスタンド」を見つけた。

「ゾンビスタンドは主に過去から残された問題だ」と中国充電連盟副幹事長の鄭甲兎氏は記者に述べた。充電企業は当初、地価の安い郊外に充電スタンドを設置していたが、客足が少なく、利用率が高くなく、メンテナンスが行き届いていないため、多くはゾンビスタンドになっている。公共駐車場に設置された充電スタンドは、駐車時間により料金が高くなり、利用率も高くない。

個人充電スタンドについては、多くのメーカーが充電スタンドをおまけとしてつけるキャンペーンを打ち出しており、個人充電スタンドの数もここ2年で増加している。しかし集合住宅に充電スタンドを設置するのは困難だ。駐車スペースはない古い団地はともかく、駐車スペースはあっても個人用に固定しないところはほとんどだ。また、団地の配電網への圧力は大きくなるため、管理会社が充電スタンドの設置を拒否するところは多い。

前出の鄭甲兎氏によると、公共充電スタンドの利用率は現在約10%で、数年前(5%)に比べて増加しているものの、利用率が約30%までは利益を得ることが困難だ。ここ数年、倒産した充電スタンド企業は多いが、同時に新たなプレイヤーも参入している。企業調査データによると、2020年1-9月期、中国の充電スタンド関連企業は前年同期比22.4%増の1万6400社を新規登録した。このうち、第2四半期に登録された企業数が最も多く、計6800社に達している。

現在、充電スタンド業界の集中度は高い。中国充電連盟が発表したデータによると、2020年11月までに、全国の充電運営企業が運営する充電スタンド数が1万台を超えたのは計9社のみで全体の90.6%を占め、残りの事業者は全体の9.4%にとどまった。うち特来電、星充電、国家電網の3社はもっともシェアが大きい。一部のトップ企業は対外的に利益を上げていると宣伝しているが、業界内では、間接業務で利益を出している可能性はあるが、充電施設運営の単一業務で利益を出すことは困難だとの見方が多い。

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