EU(欧州連合)が英国に対し、中国製EVへの関税を引き上げ、EUと通商政策の足並みをそろえるよう求めていることが分かりました。
9月25日付の英紙「Financial Times」によると、英国は現在、EUが進める「欧州製(Made in Europe)」政策において、英国製の自動車や部品も欧州製品と同等に扱うよう求めています。
「欧州製」政策とは、EUが公共調達や補助金などで、欧州域内で生産された製品を優先する仕組みです。自動車や鉄鋼、セメント、アルミ、クリーン技術などの戦略産業を対象に、欧州域内の生産やサプライチェーンを強化することを狙っています。
これに対しEU側は、中国製EVに対する英国の関税がEUより低いことを問題視しています。
EU、中国製EVの「英国経由」を警戒
EUは2024年10月から、中国製EVにメーカーごとに7.8~35.3%の追加関税を導入しています。従来の10%の輸入関税を合わせると、税率は最大約45%になります。
一方、英国は同様の追加関税を導入していません。
EU側は、この関税差が続けば、中国メーカーが英国にEVを輸出し、そこからEU市場に流すことでEUの関税措置を回避する可能性があると懸念しています。
そのためEUは、英国がEUの関税同盟に参加するなど、双方の関税政策を近づけることを求めています。
英国は独自の通商政策を維持する姿勢
英国政府は、中国製自動車への関税について、「英国の経済と産業の利益に基づいて独自に決定する」としています。
一方、英国の自動車産業はEUのサプライチェーンと密接につながっており、EUは英国にとって最大の自動車輸出市場でもあります。
このため英国は、「欧州製」政策から英国が除外されれば、自動車や部品の輸出に影響が及ぶとして、EU側に英国を「信頼できるパートナー」として扱うよう求めています。
中国ブランドは現在、英国の新車市場で約16%のシェアを占めています。中国製EVへの関税をめぐる対応は、英国の対中政策だけでなく、今後の英国とEUの自動車貿易にも影響する可能性があります。
