AutoXと提携、上海市は中国初のRoboTaxiの商業化トライアルエリアを設立
2019世界人工知能大会(略称WAIC)で自動運転は人気が集まるテーマとなっている。万博会場に隣接し、約3万6000平米の無人運転体験場は、多くの市民にとって「行列ができる」ところとなっている。市民に自由に自動運転を体験させるほか、上海市政府はRoboTaxiの商業化トライアルエリアを設立することを決めた。
8月31日、上海市嘉定区政府は、自動運転ベンチャーのAutoXと戦略提携を結び、両者はWAICで中国初の自動運転Robotaxiの商業化トライアルエリアを共同で建設すると発表した。計画によると、2019年末から20年初めまでに嘉定無人運転商業化トライアルエリアで約100台の自動運転タクシーを投入し、テスト運営を実施する。同エリアは上海嘉定安亭新鎮に位置し、敷地面積は約150平方キロメートルだ。
実はこれは国内初の「スマート・コネクテッドカー・モデルエリア」の所在地でもある。嘉定区は昨年から、デルファイ傘下のL4レベル自動運転技術を専門とする子会社Aptivを導入し、グーグル傘下の自動運転車子会社「Waymo」と会談し、この未来の技術を積極的に取り組んでいる。
AutoXは2016年9月にシリコンバレーで設立され、L4/L5クラスの自動運転フルスタック型ソリューションを主力とし、同社、東風集団など複数の自動車メーカー、アリババ、MediaTecを含む数億米ドルのAラウンド融資を完了している。
今後、AutoXは嘉定安亭にある上海国際汽車城にAutoX華東区本部を設立し、独自投資で「人工知能自動運転商業化トライアルエリア運営事業」を設立し、AI自動運転研究開発センター、運営とビッグデータセンター、人工知能自動運転産業応用テスト拠点などの事業を重点的に建設し、大規模な自動運転車チームを設立する。
中国の自動運転市場の大きなチャンスを見たAutoXは今年1月末、広東省深セン市南山区に中国研究開発本部を設立し、深センを拠点に国内市場への拡張を計画している。現在、同社は深セン市、北京市、常州市、シリコンバレー、サンディエゴに人工知能研究開発センターと運営センターを設置している。上海は間もなく次の研究開発センターとなる。
注目すべきは、DiDiもこの土地を狙っていることだ。WAICで滴滴出行の程維CEOは、できるだけ早く自動運転の有人テストを上海で実施することに意欲を示した。その後、DiDiの張博CTO兼自動運転CEOは、今後、上海市にさらに30台のテスト車両を配置し、テストが完了したら速やかに普及させ、今後ユーザーが指定地域でDiDiアプリを開くと、「自動運転」の入り口が表示されると述べた。
2019年下半期、RoboTaxiの競争はすでに路上テスト段階から試験運営段階に入り、企業は各地政府と協力して試験運営の実施を実現している。現在、WeRide(文遠知行)とPony.ai(小馬智行)は広州市で試験運営を行い、百度は長沙市と手をつなぎ、DiDiとAutoXは上海をターゲットとし、3カ所で試験運営の枠組みを形成している。
米国では、Waymoはすでに2年前から米アリゾナ州フェニックスでRoboTaxiの試験運営を開始しており、昨年末にはRoboTaxi有料サービスWaymo Oneを正式に開始し、急速に進展している。中国のRoboTaxiのオープントライアル運営地域は今後ますます増え、商用化が加速すると予想されている。