高速道路に「運転支援使用禁止」標識登場 政策と現場対応が安全監督強化を後押し

8月15日、瀋陽から上海に至るG15高速の上海~常州区間で、「運転支援使用禁止」を示す標識が複数確認されたと報じられました。上海市民ホットライン12345によれば、こうした標識は事故多発区間に設置されるもので、安全上の理由から運転支援の利用が禁止されているということです。交通警察関係者も、標識は交通量の多い区間や工事区間、あるいは交通環境が複雑な場所に設置されることが多く、ドライバーに対して運転支援機能への過度な依存を戒める狙いがあると説明しています。たとえ運転支援を使用していても、ハンドルから手を離さず、周囲の状況を注視し続ける必要があると強調しています。
二日前に、中国市場監督総局と工業情報化省も「スマートコネクテッド新エネルギー車製品のリコール、生産一致性監督管理および宣伝規範の強化に関する通知(意見募集稿)」を発表しました。文書では、自動車メーカーに対し、車載システムやアプリ、取扱説明書において運転支援機能の安全注意や使用上の説明を明確に表示し、消費者が「自動運転」と誤解しないよう義務付けています。
交通警察の取締り状況からも、標識や政策の背景には共通する課題が浮かび上がっています――高速道路上で運転支援を誤用する利用者が急増し、それに伴う安全リスクが深刻化しているのです。浙江省嘉興市の事例では、一部の運転者が「L2運転支援=完全自動運転」ではないと理解しながらも、問題が起きなかった経験から過信し、SNSで誇示する者まで現れました。中には、高速道路上でスマートフォンを操作したり、カラオケをしたり、両手を離したまま走行するケースも多発しており、実際に事故を招いた例もあります。嘉興交通警察の発表によると、今年7月だけで26件の違反を摘発し、そのうち8割以上が「走行中のスマホ操作・両手離し」に関連していたということです。警察当局は、L2機能はあくまで補助にすぎず、運転者に代わるものではないと警告しています。ドライバーが一瞬でも注意を逸らせば、重大事故に直結する危険があると指摘しています。
こうした注意喚起は初めてではありません。今年4月の清明節連休にも、全国各地の高速道路で「スマートドライブは慎重に」「工事区間は運転支援モードをやめよう」といった表示が見られました。しかし現実には、単なる注意表示だけでは利用者の過信を抑えきれず、システム任せの走行による重大事故が繰り返されています。湖南省では、疲労運転の末に誤って自動運転に依存し、追突事故を起こした事例も報告されています。
以上の状況を踏まえると、高速道路における「運転支援使用禁止」標識の設置と、国家レベルでの企業コンプライアンス強化策は、従来の注意喚起が十分に機能しなかった現実を補う「次の段階」の対応といえます。長期的には、業界の標準化や技術の成熟を促し、誤用による事故の減少につながることが期待されています。