各省庁/委員会が発表した第14次五カ年計画から中国自動車業界の政策的な方向性を読む

自動車産業情報のポータルサイトの「中国汽车工业信息网」によると、2021年は第14次五カ年計画のスタートの年であり、最近、各省庁/委員会は関連業界と重点分野の第14次五カ年計画を集中的に発表し、このうち、公共分野の電動化、C-V2X、貨物輸送新ビジネスモデルなどの重点分野に言及した。

はじめに

各省庁/委員会が発表した五ヵ年計画は自動車業界を対象としたものではないが、これらの関連計画から自動車業界の政策的な方向性を大まかに見ることができる。

新エネルギー車関連

交通運輸省の「総合運輸サービス『第14次五カ年計画』発展計画」の中で、新エネルギー車の販売台数について、都市バス、タクシー、都市物流分野の新エネルギー車の割合をそれぞれ2020年の66.2%、27%、8%から72%、35%、20%に引き上げるという具体的な指標要求が提出された。

2025年「国家生態文明試験区」、「大気汚染防止重点地域」では毎年、路線バス、レンタルカー、物流配送などの新規増加と代替車両のうち、新エネルギー車の割合が80%を下回らないこと、2025年に北京、天津、河北地区で大口貨物輸送に占める新エネルギー自動車輸送の割合を約70%にすることを求めている。

計画ではさらに、「運営、通行、駐車、充電などの政策支援を拡大し、充電・バッテリー交換、水素ステーションなどのインフラ整備と建設を加速する。健全な新エネルギー自動車メンテナンス基準体系を構築し、新エネルギー自動車の検査、診断と修理サービス能力を高める」としている。

公共分野の全面的な電動化は今後の趨勢であり、基本的には試行してから全面的に普及させる。

また、「交通運輸『第14次五カ年計画』立法計画」の中で、「グリーン交通発展の立法の研究と準備を強化し、新エネルギー自動車の普及、応用などの関連立法研究の展開を模索する」と述べている。

コネクテッド化関連

コネクテッド化、V2Xは情報通信、スマート交通とも一定の関連性があるため、「第14次五カ年計画情報通信業界発展計画」で多く言及されており、主にコネクテッドカー、特にC-V2Xに現れている。方向性として、C-V2Xを発展させ、コネクテッドカーとスマートシティの協同発展を保障することである。同計画では主にコネクテッドカーの展開・応用の加速、技術と製品の研究開発、ネットワーク安全保障システムなどが言及された。

文書は「C-V2Xに基づくコネクテッドカーインフラ配置のトップダウン設計を強化し、高速道路コネクテッドカーのアップグレード改造と国家級コネクテッドカー・パイロット・エリアの建設を『縦割り』で推進する」と言及している。

コネクテッドカー安全保障体系については、「コネクテッドカーの実名登録管理を着実に推進し、コネクテッドカーの安全管理技術手段を構築・整備し、コネクテッドカー製品の安全脆弱性専門バンクを建設し、コネクテッドカー身分認証と安全信頼能力の建設を推進し、コネクテッドカー安全態勢感知技術プラットフォームの構築を加速する」とした。

現在、コネクテッドカーの実名登録管理に関する政策はすでに発表されており、まだいくつかの細則を明確にする必要があるが、車両は監督管理の主体として、2022年9月30日までに販売車両にコネクテッドカーの実名登録仕組みを搭載しなければならないことが規定されている。コネクテッドカー身分認証の試験作業も始まっている。今後、コネクテッドカーの安全技術の面に重点を置いていくつかの監督管理要求を提出する。

自動運転関連

「交通運輸『第14次五カ年計画』立法計画」の中で、「スマート交通革新発展の立法の研究と準備を強化する。自動運転などのスマート交通先端技術の応用に関する法律制度の構築を模索・研究し、関連立法プロジェクトにおける無人化運送ツール管理制度の構築を模索・研究する」と述べた。

貨物輸送関連

運輸業界の関連計画は貨物車両に対して一定の要求を提出するほか、新たな貨物輸送モデルを打ち出して道路貨物輸送の質の高い発展を推進することに重点を置いている。

「総合運輸サービス『第14次五カ年計画』発展計画」の中で車両関連に言及した主なものとして、「貨物車両の生産、登録、使用、検査の各段階の基準間の連携を推進し、種類や技術を広くカバーする合理的な貨物車種基準体系を研究・制定する。関連部門と共同で貨物車種標準化を引き続き推進し、貨物車両の標準化、バンボディ化、軽量化を全面的に推進する。国家基準に合致するフルトレーラー、バンボディセミトレーラーを積極的に発展させ、軽量化トレーラーの普及・応用を加速する」と述べた。

新しい運輸モデルについては、「総合運輸サービス『第14次五カ年計画』発展計画」の中で主に貨物車リース、トレーラーシェアリング、クロスボーダー・ドロップアンドプル運輸、複合一貫輸送(文中で26回言及)などが言及されている。国家発展改革委員会が発表した2つの「第14次五カ年計画」関連の文書の中で、ドロップアンドプル運輸と複合一貫輸送についても言及している。「国家物流ハブネットワーク建設実施方案(2021-2025年)」の中で「国家物流ハブを核心とする基幹物流インフラネットワークと基幹複合一貫輸送システムの形成を推進する」と言及した。「第14次五カ年計画による西部陸海新ルートの高品質建設推進実施方案」の中で、複合一貫輸送は14回言及され、同時に「越境道路輸送の直通モデルを模索し、国際的なシェアリング輸送の試行を展開する」ことも言及されている。現在、中国国内のドロップアンドプル輸送業務は初歩的な段階にあり、交通運輸省はいくつかの試験プロジェクトを確定し、試験範囲は拡大しているが、長江デルタ、珠江デルタ、環渤海などの経済発達地域のドロップアンドプル輸送の応用レベルは中西部地区を上回っている。

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