StellantisとPony.ai、欧州でL4自動運転車を共同開発──2026年から実証展開へ

10月17日、Stellantisグループは中国の自動運転技術企業Pony.ai(小馬智行)と共同で、欧州における自動運転車の開発と導入を加速するための非拘束的な覚書を締結したと発表しました。両社は、Stellantisの「AV-Ready」プラットフォームとPony.aiの自動運転技術を融合し、ハンズオフ・アイズオフ運転を実現するSAEレベル4(L4)の自動運転車を共同で開発・検証します。

このプロジェクトは、Pony.aiの欧州本部が置かれるルクセンブルクを拠点に進められ、Stellantisの商用車部門「Pro One」の事業を通じて展開されます。両社は今後数カ月以内に、プジョー「e-Traveller」をベースにした電動ミドルバンをテスト車両としてルクセンブルクで走行試験を開始し、2026年から欧州各都市へ段階的に展開する予定です。実証試験では、安全性、性能、法規制への適合状況などが重点的に検証されます。

Stellantisの「AV-Ready」プラットフォームは、L4の自動運転機能に対応するために設計されており、システムの冗長性確保や先進センサー群との高い互換性を備えています。これにより、完全なハンズオフ・アイズオフ運転を可能にしながら、最高水準の安全性と信頼性を実現します。同社は、このプラットフォームとPony.aiの自動運転ソフトウェアを統合することで、都市型モビリティにおける拡張性と効率性の高いソリューションを提供することを目指しています。初期段階では軽商用車を中心に展開し、今後は貨物輸送や旅客輸送など、より広範な自動運転分野への応用を視野に入れています。

2016年に設立されたPony.aiは、中国、欧州、東アジア、中東で事業を展開しており、自動運転のソフトウェアからハードウェア、運行サービスまでを包括的に提供しています。Stellantisのほか、中国メーカーのBAIC、GAC AION、さらに中国で事業を展開する日系メーカーのトヨタなどとも提携し、商用化に向けた取り組みを進めています。海外では、韓国で国家レベルの自動運転試験許可を取得し、ソウル・江南区では24時間走行テストを実施しています。中東ではドバイ道路交通局と提携し、2025年にRobotaxiの公道試験を開始、2026年には完全無人運行の商業化を目指しています。今年6月にはルクセンブルクでもRobotaxiの試験を開始し、レンニンゲン市から周辺地域へと拡大中です。さらに、Uberとも提携し、中東地域で自動運転モビリティサービスの提供を計画しています。

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