ロボトラックスタートアップ 企業のTuSimple、米当局と合意、中国事業売却へ

ロボトラックスタートアップ企業TuSimple(図森未来)は、中国での事業を売却し、米国市場に注力する方針を模索していると報じられました。この決定は、米国政府が安全保障上の懸念から中国からのデータアクセスを制限した後に下されたものです。

TuSimpleは、中国人起業家2人によって創業され、約500人の従業員を抱え、中国で複数の特許を保有しています。2021年4月、TuSimpleはナスダックにIPO上場し、合計10億ドル以上の資金を調達しました。年次報告書によれば、2021年にはTuSimpleは7.327億ドルの損失を計上し、当面「多額の収入」が見込まれない状況です。

現在、TuSimpleは米国のDHL Worldwide ExpressやUPSなどの大手小包配送会社と提携し、L4クラスの自動運転トレーラー約100台を運営しています。これらのトラックのうち75台は米国、25台は中国で、一部の輸送ルートでは運転手が不要な自動運転が可能です。2021年12月、TuSimpleはアメリカ・アリゾナ州の公道を完全自動運転トレーラーで80マイル走行する世界初のマイルストーンを達成したと発表しました。

TuSimpleが中国事業の売却を決定した理由は、米中両国の「規制の厳格化」による影響です。この地政学的・経済的緊張は、米国での中国関連投資や資金調達の鈍化を引き起こしており、一部の中国企業は米証券取引所からの上場廃止のリスクに直面しています。

情報筋によると、一部の米国州が公道や高速道路向けのロボトラックの開発に積極的であることから、TuSimpleは中国事業の売却を決断したと述べています。TuSimpleの中国事業は主に港湾輸送に焦点を当てており、一般道路での走行は限定的なテストエリアにとどまっています。

TuSimpleは最大10億ドルでの中国部門の売却を目指し、安全保障上の問題を解決した後、事業の「独自の発展」が期待できると説明しています。

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