CATLが米国工場建設を検討!トランプ再選でEV業界に新たな動き?

11月12日(米国現地時間)、CATL(寧徳時代)の会長兼CEOである曾毓群(ズン・ユーチュン)氏は、メディアのインタビューで、もし次期米国大統領となるトランプ氏が、中国企業による米国での電気自動車(EV)サプライチェーンへの投資に対して門戸を開くのであれば、CATLは米国での工場建設を検討すると語りました。

以前、CATLは米国での工場建設を計画しており、その話はトランプ氏が初めて大統領に就任した時期に始まりました。しかし、バイデン政権に変わってからその計画は否決されました。米国の自動車メーカーとの協力も順調には進まず、昨年にはフォードとの工場建設計画が一度決定されていたにもかかわらず、強制的に中止となりました。現在、CATLの米国での事業は、現地企業と電池生産技術のライセンス契約を結ぶことに限定されています。フォードはミシガン州で工場を建設しており、CATLとのライセンス契約に基づいて、低コストのリン酸鉄リチウム電池を生産し、電動SUV「Mach-E」や「F-150 ライトニング」ピックアップトラックに使用する予定です。テスラもCATLと同様の技術ライセンス契約を結んでおり、ネバダ州で電池を生産しています。

今回、トランプ氏が再び大統領に就任し、さらにマスク氏のトランプ政権内での影響力が増したことを考えると、テスラの主要な電池サプライヤーであるCATLが米国に工場を設立することは、多方面において利益をもたらす、理にかなった選択と言えるでしょう。

今後、中国企業による米国での投資に対する障害が少なくなる可能性が高く、マスク氏はCATLが米国で工場を建設することを望んでいると考えられます。なぜなら、CATLのリン酸鉄リチウム電池はコストが低く、LGやパナソニックは同じタイプの電池を生産することができないからです。その結果、米国で生産されるテスラ車はすべてリン酸鉄リチウム電池に切り替わり、テスラの利益率が向上することが期待されます。

また、テスラは米国の電気自動車購入補助金を受けるための条件である「バッテリー部品と原材料の50%を北米製で、中国を含む特定国の原材料を使用しない」という制約からも解放される可能性があります。CATLが米国に工場を建設することで、テスラの部品が米国国内生産要件を満たしやすくなり、双方にとってウィンウィンの状況が生まれるでしょう。あとは、マスク氏のロビー活動がどのような結果をもたらすかにかかっています。

曾毓群氏の今回の発言は、あくまで非公式ながらも重要なメッセージであり、米国側の本当の意図を探るための試金石と考えられます。これはトランプ氏をターゲットとした試みであり、商業的な側面は第一の考慮事項ではないようです。

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