NIOが発表した「固体電池」は、本当の固体電池なのか

密度は360Wh/kgに達し、航続距離は1000キロを超える?

NIOは1月9日のNio day 2020で、2022年第4四半期に同社フラグシップモデルのET7に「固体電池」を搭載することを発表した。噂によると、同電池のサプライヤーは清陶(昆山)能源発展有限公司(以下は「清陶能源」)だ。清陶能源は2020年7月に、固体動力リチウム電池事業(1期)を宜春経済技術開発区で始めたと発表した。

しかし、1月10日、NIOの創業者である李斌氏は第一財経記者の取材を受けた際、この説を認めず、「現時点ではまだ明らかにすることができない」とあいまいな回答にとどめた。その後の1月11日、CATLがNIOの固体電池のサプライヤーであると伝えられた。これに対してNIOとCATLはいずれも「ノーコメント」と回答を避けている。

伊維経済研究院研究部総経理、中国電池産業研究院院長の呉輝氏は、NIOが採用する「固体電池」は実際には全固体電池ではなく、液体電解質を含む半固体電池だと指摘している。全固体電池の量産はまだ遠い。NIOが1月9日に発表したいわゆる固体電池に関する限られた情報によると、この「固体電池」は「in situ固液体電解質」、「無機プレリチウム・シリコン・カーボン複合負極」及び「ナノ級被覆超高ニッケル正極」などのプロセスを採用している。

「今のところ、この半固体電池はまだ量産されていないが、2、3年後に量産して車に搭載することは可能だ」。前出の呉輝氏によると、現在、市場で固体電池に注力しているサプライヤーには、清陶能源、輝能科技、衛藍新能源、贛鋒鋰業などが含まれている。

中関村新型電池技術革新連盟秘書長、電池百人会理事長の于清教氏も、「市場はNIOが発表した固体電池についていくつか誤解しており、NIOが発表したのは真の意味での固体電池ではない。実際に固体電解質を使用した『固体電池』の量産と搭載にはまだまだ時間がかかる」と指摘した。

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