中国自動車市場で加速する知能化!NOAの有無が購入を左右する時代へ

中国の自動車消費者は、高度なインテリジェント運転機能にますます関心を寄せています。特に、高速および都市部のNOA(Navigate on Autopilot)(注)機能は、インテリジェント運転技術の量産化の最前線として急速に普及しています。

最近の蓋世汽車研究院の統計によると、2024年1月から10月までの国内市場におけるNOA標準搭載台数は100万台を突破し、高速NOAの普及率は7.1%、都市NOAの普及率は1.3%に達しました。蓋世汽車研究院は、2030年までにNOA搭載台数が850万台を超えると予測しています。

NOAの急速な発展は、インテリジェント運転技術の継続的な進化によるものです。高度なセンシングシステム、高性能な計算アーキテクチャ、精密なアルゴリズムの統合により、高速道路の多くのシナリオでNOA技術は基本的なナビゲーション機能を実現しています。一方、都市部の複雑なシナリオでは、安全なインテリジェントナビゲーションはまだ達成されていませんが、都市NOA機能の搭載は、ユーザーの購買決定において重要な要素となりつつあります。

1月7日~20日、新エネルギー車メディア「第一電動」が「20万元以上の車に高度なインテリジェント運転機能がなかった場合、購入するか?」というアンケートを実施し、646件の有効回答を収集しました。

調査結果によると、2025年に車を購入予定の回答者は53.6%に上り、その91.3%が20万元以上の車を検討しています。さらにそのうちの94.5%がインテリジェントカーの購入を希望しており、知能化機能が重要視されていることが明らかになりました。

特に都市NOA機能の有無は購入判断に大きく影響しており、80%が「非搭載なら購入しない」と回答。81.3%が「必須機能」、73%が「購入の前提条件」としており、高度な運転支援機能の需要が高いことが示されました。実際に都市NOAを利用したことのある回答者の79.2%が「機能として使えるレベル」と評価しています。一方、「非常に便利」との回答は20.3%にとどまりました。

購入検討車種では、シャオミのSU7/YU7が22%の支持を集め、AITO(問界)M9/M7/M8が17.4%、BYD漢L/唐Lが11%と続きました。その他、VOYAH(嵐図)、Xpeng、IM Motor、Li Auto、Zeekr、テスラなどのブランドも一定の支持を得ています。

また、自動運転の活用意向も高く、22%が「運転の30%で使用」、58%が「運転の50-70%で使用」、18%が「90%以上で使用」と回答。利用シーンとしては、高速道路や都市環状道路が挙げられました。

一方、購入予定のない46.4%のうち、96.3%は既に車を所有。そのうち、20万元以上の車を持つ割合は75.4%、都市NOA搭載車は59.6%でした。

すでに車を所有している回答者が購入時に最も重視するポイントは、「高度なインテリジェント運転機能」が30%で最多となり、次いで「デザイン」や「コストパフォーマンス」が挙げられました。

ただし、この調査に参加した回答者は、主に80~90年代生まれの男性で、高度なインテリジェント運転機能、特に都市NOAに強い関心を持つ層が多いと考えられます。「高度なインテリジェント運転機能がなければ購入しないか?」という質問自体が誘導的な要素を含んでいるため、この調査結果が市場全体の傾向を完全に反映しているとは言えません。しかし、一方で、調査結果は20万元以上の市場において一定の代表性を持っている可能性があります。

近年の市場競争の激化により、航続距離、加速性能、大型ディスプレイ、車内家電などの差別化要素が出尽くした中、各メーカーはインテリジェント技術への投資を強化し、スマート化のプロモーションを加速させています。

中国動力電池大手のCATL(寧徳時代)の潘健・共同会長は、1月に開催されたスイス・ダボス世界経済フォーラム年次総会で、「中国のEV産業はEV(電気自動車)からEIV(インテリジェント電気自動車)へ移行している」と述べました。

潘氏は、中国のEV市場の急成長は「電動化とインテリジェンスの融合」によるものであり、電動化がインテリジェンスの基盤を提供し、ガソリン車では実現できない新機能を消費者に提供していると指摘しました。

「EIV」という言い方は中国市場ではまだ広く普及していませんが、今後その影響力は拡大すると予想されます。今後の中国自動車市場において、NOAを代表とする高度なインテリジェント運転技術が競争の鍵となるでしょう。

注:NOA(Navigate on Autopilot)とは、先進運転支援システム(ADAS)の一種で、目的地を設定すると自動的に運転する機能であり、中国の自動車メーカーがテスラのFSD(Full Self-Driving)に倣って開発しており、一定の条件下では運転者がペダルから足を離して手放運転することができます。

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