BYDの小型EV「Dolphin Surf」欧州上陸 ─ 年内にハンガリーで現地生産へ、「欧州ブランド」としての認知を狙う

5月21日、BYDは都市向け小型電気自動車「Seagull(ヨーロッパ市場では Dolphin Surf の名称で展開)」が正式にヨーロッパ市場に上陸したことを発表し、年末にはハンガリーの新工場で現地生産を開始する計画も明らかにしました。
フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ハンガリー、ポーランド、スイスなど、15か国で同時に新型車の発表イベントを開催し、「Dolphin Surf」という名称の欧州版「Seagull」を正式に公開しました。BYDの副総裁である李柯(リー・クー)氏は、「私たちは、Dolphin Surf をヨーロッパブランドとして認識してもらいたい」と語り、高いコストパフォーマンスを持つ電気自動車に対するヨーロッパ市場の需要が高まり続けていることを強調しました。そして、Dolphin Surf はそのニーズに最適な答えであるとしています。
中国市場では Seagull の販売価格はわずか6.98万元(約140万円)ですが、ヨーロッパ市場では Dolphin Surf の価格は2.299万ユーロ(約370万円)から、上位モデルでは3.099万ユーロ(約500万円)に達します。それでも、6月末までのキャンペーン期間中には最低価格が1.999万ユーロ(約320万円)に引き下げられ、シトロエン e-C3(2.33万ユーロ~)やダチア Spring(1.69万ユーロ~)などの現地競合モデルと十分に競争可能な価格帯に設定されています。
Dolphin Surf には「Active」「Boost」「Comfort」の3種類のグレードが用意されており、全モデルに10.1インチのタッチスクリーンや電動調整式ドアミラーなどの充実した装備が標準搭載されています。最上位の Comfort グレードでは、360度カメラ、シートヒーター、ワイヤレススマホ充電、LEDヘッドライトなどの高級装備に加え、156馬力のモーターを搭載し、0-100km/h加速はわずか9.1秒という高い性能を誇ります。
さらに、欧州仕様ではボディサイズが拡大され、全長は3990ミリ(中国仕様は3780ミリ)となり、空間を重視するヨーロッパの消費者ニーズにも対応しています。
BYD Dolphin Surf
写真:BYD