BYD、ハンガリーに欧州本社を設立 研究開発と地域連携を推進

5月15日、BYDはハンガリー・ブダペストにて式典を開催し、同地にヨーロッパ本社を設立することを正式に発表しました。本社はブダペスト第11区のドナウ川沿いに位置し、今後は販売・アフターサービス、車両の試験・認証、現地仕様車の設計および機能開発などの業務を担う予定で、二千人規模の雇用創出が見込まれています。
式典には、ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相、広東省党委員会副書記・省長の王偉中氏、中国駐ハンガリー大使の龔韜(コン・タオ)氏、そしてBYD会長である王伝福氏をはじめとする複数の幹部が出席しました。
BYDの公式発表によれば、ヨーロッパ本社は今後、自動運転支援技術および次世代車両の電動化技術の研究開発に重点的に取り組み、ハンガリー国内の少なくとも3つの大学と共同研究を実施する予定です。また、現地のサプライヤーや企業との協業も進め、新エネルギー車関連産業の発展を支援するとしています。
BYDとハンガリーの協力は2016年に始まり、同年にハンガリー北西部のコマーロム(Komárom)市に電動バス工場を設立し、2017年に稼働を開始しました。さらに、2024年12月には、BYDが中国の自動車メーカーとして初めて、ヨーロッパで新エネルギー乗用車の生産工場をセゲド市に建設する計画を発表しました。総投資額は10億ユーロを超える見通しで、工場は段階的に建設が進められる予定です。
現在、BYDはハンガリー市場において、ATTO 3(元PLUS)、ドルフィン(海豚)、シール(海豹)の3車種の電気自動車を販売しており、ブダペスト市内に2つの販売店舗を構えています。
ハンガリーにヨーロッパ本社を設立することは、BYDのグローバル戦略の一環です。近年、BYDはヨーロッパ市場での事業展開を継続的に進めており、傘下ブランドの「騰勢(DENZA)」も、今後2年間で複数のヨーロッパ諸国への進出を計画しています。2025年4月時点で、BYDはスペイン、イタリア、フランス、イギリス、ドイツなど14のヨーロッパ諸国において、新エネルギー車の累計販売台数が1万台を超えています。
BYD欧州本社ビル
写真:BYD