BYDが高級ブランド広報を再編:DENZAと方程豹を統合管理、インテリジェント分野も再構築へ

2025年4月末、BYDは社内向けの通知を発表し、傘下の2つの高級ブランド―「DENZA(騰勢)」と「方程豹(Fang Cheng Bao)」のブランド広報部門に対して重要な組織再編を行いました。これまでそれぞれの販売事業部に属していた広報チームは、今回の調整によりBYDグループの「ブランド・広報処」の下に並列で編入され、同処の第二級部門として位置づけられました。最高責任者は、グループのブランド・広報処総経理である李雲飛氏が務めます。
この調整以前、DENZAと方程豹のブランド広報はそれぞれ独立して運営されており、グループ全体での連携やリソースの統合が困難な状況にありました。今回の再編によって、両ブランドの広報業務がグループの統一管理下に置かれることで、BYD全体として戦略的リソースの集中や、高級ブランドとしての影響力強化が期待されています。
BYD社内の業務構造は明確に分かれており、車両の研究開発は「自動車工程研究院」と「新技術研究院」がそれぞれ担当し、販売・マーケティングは「王朝系」「オーシャン系」「DENZA」「方程豹」「仰望」といった複数の販売事業部が担っています。今回のブランド広報部門のBYDグループへの回帰は、グループが高級ブランドにより高い優先順位を与え、本格的に高級市場に注力していく姿勢を示すものです。
同時に、BYDはインテリジェント分野における業務統合も進めています。報道によると、インテリジェント運転支援分野の中核技術者である廖杰氏が2025年の旧正月後に退職し、元勤務先であるHorizon Robotics(地平線)に復帰したとのことです。廖氏は2023年8月にBYDへ入社し、 Horizon Robotics製チップをベースにした運転支援アルゴリズムの開発を主導し、BYD独自の開発ソリューションの実装を推進してきました。現在、BYDのインテリジェント運転業務は新技術院の李鋒氏(インテリジェント運転ソフト開発センター主任)と韓冰氏(運転システム導入センター主任)がそれぞれ運転支援と車内システムを担当しており、両分野の一体化も進行中で、開発効率の向上や協業コストの削減が期待されています。
過去3年間、BYDは中国国内市場において販売台数を数倍に伸ばし、市場シェアは飽和点に近づいています。業界では、今後の成長の鍵としてブランドの高級化とグローバル展開が重要だと広く見られています。現在、BYDは3つの高級ブランド――「仰望」「DENZA」「方程豹」を展開しており、「仰望」は超高級技術のショーケース的な存在、「DENZA」は全カテゴリーのラグジュアリーモデルを中心に展開し、「方程豹」は高級オフロード市場に注力することで、今後の成長エンジンと位置づけられています。