新エネルギー車のリーダー交代? BYD、四半期売上で初めてテスラを超える

10月30日の夜、BYDは2024年第3四半期決算を発表しました。報告期間中、BYDは売上高2011.25億元を達成し、前年同期比24.04%増となりました。これは、新エネルギー車メーカーとしてのBYDが四半期売上で初めてテスラを超えたことを意味します。テスラの2023年第3四半期の売上高は251.8億ドル(約1800億元)で、BYDは200億元以上の差をつけました。

業界のベンチマークとされるテスラは、他の新エネルギー車メーカーが目標とする存在でしたが、BYDが第3四半期に初めてテスラを売上高で上回ったことは歴史的な突破といえるでしょう。

BYDの売上増は主に自動車事業の急成長に支えられています。BYDの今年の財務データによると、今年の前9ヶ月間でBYDの新エネルギー車の販売台数は累計274.79万台に達し、前年同期比32.13%増となりました。第3四半期には約113.49万台の新車を販売し、単月の歴史的な最高記録を更新しました。一方、テスラは第3四半期に計46.29万台の新車を販売しました。

これにより、BYDが自動車販売台数でリードしていることが明らかになり、特に中国市場での強いパフォーマンスが影響しています。この販売リードが売上高の差にも反映されました。

しかし、利益面においては、BYDとテスラには依然として大きな差があります。

第3四半期のBYDの純利益は116億元で、テスラの純利益は21.67億ドル(約155億元)となり、両社の純利益の差は約40億元にのぼります。BYDは自動車販売で優位性を持っているものの、収益性においてはテスラにまだ大きな差があります。

一方で、BYDは知能化の分野でまだ遅れを取っており、テスラや他の新興メーカーと比較して革新性が不足しています。自動運転を含む知能化は新エネルギー車の「第二ラウンド」とも称されており、中国国内での新エネルギー車のリーダーであるBYDにはさらに努力が求められます。

また、海外事業にも課題があります。欧州連合(EU)は、今後5年間の反補助金税を中国の電動車に課す方針を発表しましたが、BYDには17.0%の関税が課される一方、テスラには7.8%の関税が課されます。この関税差は、BYDを含む中国の新エネルギー車メーカーの競争力をある程度削ぐものとなり、頻繁な貿易障壁は中国の新エネルギー車の海外進出ペースを乱すことになるでしょう。中国国内でナンバーワンから世界ナンバーワンへと成長するには、BYDにはまだ長い道のりがあると言えます。

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