長城汽車、半導体開発会社を設立
地場メーカーの長城汽車は10月21日、半導体開発会社を設立したと発表した。会社名は、芯動半導体科技有限公司で、魏建軍氏が会長、実質支配者である。登録資本金は5000万元、そのうち、長城汽車CEOの魏建軍氏の出資額は500万元で、全体の10%を占める。長城汽車の出資額は1000万元で、比率は20%、「穏晟科技(天津)有限公司」は3500万元の出資を引き受け、全体の70%を占めた。ちなみに、穏晟科技(天津)有限公司は、魏建軍氏が出資して設立し、魏氏が直接支配する会社である。
半導体会社の設立の背景には、自動車の知能化に伴い深刻化する半導体供給不安があった。近年の「チップ供給不足」以来、自動車メーカーの多くが不安に陥っており、中国の自動車メーカーは特に深刻である。米国がチップ法案を公布したことで、国内自動車産業のチップ供給への懸念がますます高くなっている。
長城汽車は昨年11月に「チップすり替え」騒動に陥った。今年4月、チップ供給不足の影響で長城汽車が生産能力のボトルネックに見舞われ、5-6月には重慶永川、保定徐水の2大工場が生産停止に追い込まれ、Haval H6、長城砲、Tank 300など多くの人気車種に影響したと報じられた。
一部のメディアが引用した研究機関の予測によると、2025年までに世界トップ10の自動車メーカーの50%が独自のチップを設計する。しかし中国国内では、車載チップの自社開発率はわずか10%で、90%は輸入に依存している。
長城汽車も半導体事業に手を伸ばす理由がわかりやすいが、自動車と異なって、半導体ビジネスは、資金と技術が必要であり、収益が見込まれにくい。第1四半期、長城汽車の研究開発費は、昨年同期の28.56億元から、47.06億元に大幅に上昇した。これにより、同社のキャッシュフローは57.22億元と前年比65.69%減少している。