LeapMotorが黒字化達成!Li Autoに続く新興メーカー2社目、その成功の秘密とは?
2023年にLi Auto(理想汽車)が純利益を黒字化して収益を上げたのに続き、新たな新興メーカーが純利益の黒字化を達成し、利益を上げた2番目の新勢力となりました。
1月13日、LeapMotor(零跑汽車)は収益予測を発表し、2024年第4四半期に純利益が黒字化したことを公表しました。これにより、単四半期での黒字化目標を1年前倒しで達成したことになります。
2024年第4四半期において、LeapMotorの月間平均販売台数は4万台を超え、その中でも高価格帯のCシリーズ車種が全体販売台数の約8割(77%以上)を占めました。Cシリーズは主力モデルとして、黒字化の実現に大きく貢献しました。第4四半期の販売台数の急増と製品構成の最適化は、営業収益の大幅な向上を直接的に後押しし、同社の黒字化の基盤を築きました。LeapMotorは数か月の短期間で、月間販売台数を1万台から2万台、2万台から3万台、さらには3万台から4万台へと段階的に拡大し、その成長速度はまさに「ロケット級」と言えるでしょう。
新興メーカーが初めて黒字化を達成した前例としては、2023年のLi Autoが挙げられます。同社は1,238.5億元の売上高と118億元を超える年間純利益を記録し、中国で初めて売上高が1,000億元を突破した新興メーカーであり、黒字化を実現した最初の新興メーカーでもありました。現在のところ、新エネルギー車メーカーの中で黒字化を達成しているのは、テスラ、BYD、Li Auto、SERES(賽力斯=ファーウェイAITO「問界」)、五菱宏光MINIに加え、LeapMotorが新たに加わった計6社のみです。なお、外資のテスラを除けば、BYD、五菱宏光MINI、SERES(旧東風小康)は伝統的な自動車メーカーに属しています。
LeapMotorは2015年12月に設立されました。同社は設立から8年を経て、2024年には自動車業界の「ダークホース」となりました。しかし実際には、LeapMotorは3年前からすでに本格的な成長を始めていました。
2020年にLeapMotorは中高層幹部の会議を開き、以下の3つの目標を次の3年間で達成することを決定しました。
- REEV(レンジエクステンダー付きEV)を導入すること
- 2023年までに新興メーカーのトップ3に入ること
- 車両のインテリジェンス化を実現すること
2024年までに、LeapMotorはこれら3つの目標をすべて達成しました。まずREEVについては、ユーザーの走行距離に対する不安を解消するため、Li Autoに次いで迅速にREEVの商品展開を採用しました。2024年には、国内でのREEVの販売が大幅に増加しました。
中国自動車流通協会のデータによると、2024年1月から11月までのREEVの販売台数は前年比99%増の105万台に達し、前年より52万台の増加となりました。同期間中、国内乗用車の販売台数の増加率は8.5%、新エネルギー車全体では48%、BEV(純電気自動車)では26%、PHEV(プラグインハイブリッド車)では93%であり、いずれもREEV車両の成長率を下回っています。
2023年からLeapMotorはREEVを導入し始め、現在ではエントリーモデルのT03を除き、主力のCシリーズはREEVとBEVの2つのバリエーションを採用しています。このREEVとBEVの同時展開が、LeapMotorの販売台数を継続的に増加させる重要な要因の一つとなっています。
このため、一部のアナリストはLeapMotorを「Li AutoとBYDのハイブリッド」と評しています。一見するとLi Autoの(REEV)低価格版に見えますが、その製品展開戦略はBYDに近いものがあります。
さらに、LeapMotorは新興メーカーの中で比較的控えめで、企業全体のスタイルは華やかさよりも着実さを重視する傾向があります。一部の新興メーカーがマーケティングや宣伝に力を入れるのに対し、LeapMotorは製品や技術の研究開発に注力し、高いコストパフォーマンスを持つ製品を通じて市場シェアを獲得することに専念しています。
例えば、同社は「GTモデル」のようなスポーツカーに注力せず、売れやすい車両を優先的に開発することで、規模拡大を最優先としました。この結果、NETA(哪吒汽車)やGAC AIONのように、ニッチな車両開発が足かせになる状況を避けることができました。
特に注目すべき点として、LeapMotorは新興メーカーの中で非常に高い自社開発能力を持つメーカーです。同社は、新エネルギー車の車両アーキテクチャ、電子電気アーキテクチャ、電動駆動アーキテクチャなどの重要分野において、徹底した自社開発・自社生産を続けています。
こうした堅実な姿勢により、規模の経済が発揮されるにつれて、LeapMotorはコストを最大限に抑え、独自の市場競争力を形成していると言えましょう。