SAIC、「水素戦略」を発表、国の奨励政策の先行きが不透明
上汽集団(以下は「SAIC」)は13日、上海市で中国自動車業界初の「水素戦略」を発表した。同戦略によると、同社は2025年までに少なくとも10種類の燃料電池自動車を発表し、1000人以上の燃料電池研究開発運営チームを組織し、1万台規模の燃料電池自動車の生産販売能力を形成し、市場シェアを10%以上占め、中国国内の燃料電池システム開発生産のリーダーシップをとる。2030年までに、自社知的財産権と国際競争力を持つ燃料電池自動車の生産企業となる。
中国初の水素燃料電池を搭載した自動車メーカーとして、SAICのここ20年間の研究開発費は累計30億元を超えた。過去6年間で、Rowe(栄威) 750、Rowe (栄威) 950燃料電池乗用車、Maxus(大通) FCV80燃料電池小型バス、Sunwin(申沃)燃料電池大型バス、上汽躍進燃料電池物流車、燃料電池専用車などの車種を投入し、運営距離は約500万キロに達した。
今回発表された燃料電池MPVのMaxus EUNIQ 7は、SAICの第3世代燃料電池技術に基づいて開発され、130kWの燃料電池と70Mpaの水素貯蔵システムを採用し、6.4kgの高圧水素ボンベを満タンにすると、NEDCの航続距離は605kmに達する。計画によると、EUNIQ 7は年内に発売される。
データによると、2019年末時点で、中国の水素燃料電池自動車保有台数は6175台。2016年の「省エネ・新エネルギー自動車ロードマップ」における中国の燃料電池自動車産業の「三段階」戦略によると、2020年に1万台、2025年に5万台、2030年に100万台の燃料電池自動車の保有台数を実現する。
しかし、1-8月の中国国内の燃料電池自動車の生産販売台数は、それぞれ、前年同期比52.3%減の567台と、同比48.6%減の578台にとどまった。今後4ヵ月間で燃料電池自動車の販売台数が3247台に達しなければ目標を達成できないということだ。
政策の先行きが不透明になったことが、燃料電池自動車の生産販売台数が減少した主な原因となっている。2019年末には、水素燃料電池自動車の補助金がなかなか認可されていないため、企業は2020年に政策の変化による影響を避けるため、2019年末に駆け込みで燃料電池自動車を生産・販売した。
2020年に入って政策が変わった。4月23日、財政部等4部・委員会は共同で「新エネルギー自動車補助金政策の調整・整備に関する通知」を発表した。消費者に購入補助金を支給する方式を廃止し、燃料電池自動車のコア部品の研究開発、試験運用を行う都市や地域に奨励を与える方式に変更した。