テスラ、直販政策に合致せず、Pinduoduoキャンペーンの購入者への納車を拒否
今年7月、中国の 大手EC プラットフォーム「Pinduoduo」(拼多多)は「テスラ万人共同購入キャンペーン」を開催し、自動車ECサイト「宜買車」と提携して、ユーザーに2万元の補助金を提供した。5台限定で補助金後のModel 3の販売価格は25万1000元で、テスラの公式サイト価格より2万元安い。
テスラはキャンペーン当時に声明を発表し、他のプラットフォームや業者に販売活動を委託したことはなく、転売に関わるいかなる注文についても、テスラは一方的に契約を解除する権利があると述べた。
Pinduoduoは当時、「メーカーと確認したところ、車種はテスラの純正デモルで、補助金も本当のことがわかった」と回答した。
8月14日、一部の報道によると、テスラは、「万人共同購入キャンペーン」でModel 3を購入したユーザーへの納車を拒否した。テスラのスタッフは、このキャンペーンはテスラの直販政策に合致していないと説明した。
これにより、消費者にPinduoduoで車を買うことが怪しいとの印象は与えかねないため、Pinduoduoは黙らず、「テスラ車は純正品であり、差額はPinduoduoが補填する。補填価格は1台当たり2万元」と表明した。
テスラはこれまで、中国の消費者に迎合するために現地化を試みてきた。4月、テスラはアリババのECサイト「TMALL.COM」に世界初のテスラ公式旗艦店をオープンした。これには試乗、用品販売などが含まれる。ただしテスラの関係者は、「テスラはTMALLに進出しているが、実車は販売していない…テスラは直販のみで、テスラ車は公式サイトでしか購入できない」と語った。
Pinduoduoが行った「万人共同購入キャンペーン」は、明らかな「マーケティング属性」がある。実際にテスラ5台に10万元を補助金として使ったとしても、それがもたらす広告価値は計り知れない。消費者には、Pinduoduoで車を買うことができるという情報を伝えるだけでなく、多様な販売ルートを求めている多くの自動車メーカーにも、Pinduoduoで車を売ることができるという情報を伝えており、まさに「一石二鳥」と言える。
しかしこれは、テスラが長年にわたって確立してきた高級車ブランドの位置づけとは相容れない。テスラはブランドイメージを守るためにも、Pinduoduoを拒否せざるを得ない。