VW中国トップが語る:新エネルギー車大国・中国を支える「政策・インフラ・若年層」の三本柱

4月14日、フォルクスワーゲングループ(中国)の董事長兼CEOであるラルフ・ベリード(Ralf Brandstätter)氏は、海外メディアのインタビューに応じ、中国の新エネルギー車(NEV)産業が急速に発展している背景について詳しく語りました。彼は、中国が政策支援、インフラ整備、そして消費者の受容度という三つの強みを活かして、世界の電気自動車市場をリードする存在になっていると分析しました。

ベリード氏は、中国が20年前からNEV産業の発展に向けた布石を打ち、継続的な政策誘導と資金投入によって技術開発を後押ししてきたと指摘しました。政府は購入補助金といったインセンティブを提供するだけでなく、ガソリン車への制限措置も導入。また、純電気自動車とプラグインハイブリッド車の両方をバランス良く発展させる柔軟な政策枠組みを構築しています。これにより、充電インフラがまだ十分に整っていない地方都市においても、NEVの魅力が高まっているといいます。

同氏はまた、中国が充電インフラに対して大規模な投資を行ってきたことが、成功の鍵であると述べました。中国充電連盟が発表した2025年3月時点の統計によると、加盟各社から報告された公共充電スタンドは合計390万基に上り、そのうちDC急速充電器が178.5万基、AC普通充電器が211.4万基を占めています。これは世界全体の70%以上を占める規模です。政府、完成車メーカー、スタートアップ企業が協力して、全国的な充電ネットワークの急速な拡大を実現しています。さらに、中国の電力料金は非常に安価であり、充電コストを大幅に抑えています。たとえば、中国では公共充電で100kmあたりわずか約1.5ユーロ(約12.4元)ですが、ドイツでは同じ距離で9ユーロ(約74.4元)もかかります。

ベリード氏は特に、中国の消費者の若年化がNEVの普及を後押ししている点を強調しました。中国では新車購入者の平均年齢が34歳と、欧州よりも20歳以上若く、新しい技術への受容度が高いため、電気自動車を積極的に試す傾向があります。こうした消費動向は、政策・インフラと好循環を生み出し、市場の急拡大を加速させているといいます。

最後にベリード氏は、中国におけるNEVの成功はヨーロッパにも示唆を与えるものであると述べました。たとえば、安価な電力料金に加えて、低コストでの車両取得と運用、長期にわたる一貫した政策方針、そしてハイブリッドと純電気自動車の両方に対する均等な支援が挙げられます。

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