シャオミSU7 Ultra、日本初披露──圧倒的性能も中古価値維持に課題

9月26日、シャオミは日本・東京秋葉原で発表会を開催し、日本の消費者に向けて初めて超高級電気自動車「SU7 Ultra」を公開しました。発表会には多くの日本の消費者やシャオミファンが訪れました。

シャオミテクノロジー日本株式会社の副社長・鄭彦氏は、日本市場でも中国と同様に、スマートフォン販売店舗で電気自動車を同時に販売する戦略を展開すると述べました。ただし、SU7 Ultraの日本での正式な発売時期はまだ未定です。日本初の直営店「シャオミの家」は今年3月22日に埼玉市で開業し、スマートフォンやタブレット、テレビ、スマート家電などを取り扱っています。現在、埼玉県内には2店舗があり、年内には千葉市など首都圏でさらに3店舗を開設する予定です。来年は大阪や名古屋への展開も計画しており、将来的には全国展開も視野に入れています。

性能とデザインの特徴

SU7 UltraはSU7シリーズのフラッグシップ高性能モデルで、三モーター四輪駆動システムを搭載し、最大出力は1,548馬力、0-100km/h加速は1.98秒、最高速度は350km/hに達します。車両にはCATLの「麒麟Ⅱ」高出力バッテリーパックを装備し、5.2C急速充電に対応、12分で10%から80%まで充電可能です。CLTCモードでの航続距離は630kmです。

車体寸法は5115mm×1970mm×1465mm、ホイールベースは3000mmです。標準装備として独立調整可能な閉式二腔エアサスペンションを採用し、前後にはそれぞれ430mmおよび410mmのカーボンセラミックブレーキディスクを搭載しています。内装にはカーボンファイバーとアルカンターラ素材を多用し、黄黒のツートンスポーツシートやカーボンファイバーステアリングによりサーキット感を演出しています。

市場動向と資産価値維持の課題

SU7 Ultraは性能面で注目を集め、中国国内では初期注文が非常に好調で、消費者や転売業者の購入熱も高まりました。しかし、半年が経過した現在、一部のオーナーからは新車が数千キロしか走行していないにもかかわらず、中古評価額が41万元に下がったとの報告があり、新車価格(58万元)より17万元(約360万円)の下落となっています。

下落の主な要因は、SU7 Ultraが高性能志向のモデルであるため、日常使用での利便性が犠牲になっていることに加え、航続距離の短さがネックになっている点です。SU7 Ultraに搭載されている高出力バッテリーパックは、CLTCモードでの航続距離が630kmとされていますが、実際の走行距離はその半分以下と報告されています。

さらに、シャオミが納車時に実施したボンネットへの不可解な穴あけ仕様や初心者モードによる出力制限、購入契約での冷却期間設定などの対応がユーザーの不満を招き、市場評価に影響を与えています。その結果、中古車販売業者の信頼も低下し、買取価格は急落しています。

頭金を支払ったものの納車されず、催促を受けたうえで残金を支払ったユーザーは、納車の更なる遅延や、納車を待つ間に市場価格が約10万元(約200万円)下落したこと、あるいは予約を取り消す場合でも最大で約2万元(約40万円)の損失が見込まれるという現実的な問題に直面しています。

世界戦略と今後の展望

シャオミグループの総裁・卢伟冰氏は、今後5年間で世界に1万店の「シャオミの家」を開設する計画を明らかにしました。また、シャオミは2027年に欧州市場へ正式参入する予定です。日本市場では、5~10店舗の「シャオミの家」を開設し、スマート家電ビジネスモデルを導入するとともに、エアコンなどの大型家電販売も検討しており、ハードとソフトのシナジーを実現していく計画です。

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