生存競争激化、市場から消えつつある自動車メーカー

自動車情報専門サイトの「蓋世汽車網」は、2022年に倒産、または撤退した自動車ブランドをまとめた。ポイントを紹介する。

フィアット

設立して⒓年間を経ったStellantisとGAC(広汽)の合弁会社である広汽フィアットは、中国市場から正式に撤退する。10月31日、Stellantisグループの公式発表によると、広汽フィアット、広汽グループ、Stellantisの株主は、広汽フィアットが損失を抱えたまま裁判所に破産を申請することに同意する決議を承認した。

アキュラ

ホンダAcuraは2006年に中国市場に進出したが、これまで販売台数は振るわなかった。2016年に北京支社を設立してアキュラブランド事業部を立ち上げ、国産車と輸入車を販売していた。今年4月、Acuraは、2023年から既存モデルをすべて市場から撤退させ、販売しないことを発表した。

BORGWARD

ドイツブランで、BMW、ベンツ、アウディと並ぶ存在を自称し、「BBBA」を名乗っていたBORGWARDは11月に破産に終わった。北京宝沃汽車股フェン有限公司が北京市第一中級人民裁判所から破産決定を受けた。BORGWARDは、日本ではほとんど知られていないドイツのブランドであるが、1919年にドイツで創業したボドイツ第3位の自動車メーカーであった。しかし、第2次世界大戦後、ドイツの経済破綻とともに、同社は倒産した。2014年、地場商用車メーカーの北汽福田は500万ユーロでBORGWARDブランドを買収して復活させ、それを借りて乗用車市場に参入しようとしていたが、二度目の倒産の運命から逃れられなかった。

Skoda

海外メディアによると、Skodaが中国から撤退する。SkodaのCEOはインタビューで、同社は中国市場からの撤退を検討しており、来年に最終決定すると述べたうえ、Skodaは今後も中国市場で輸入車として販売するだけで、現地生産はしないと明らかにした。

恒大汽車

親会社の恒大集団の経営危機に伴い、恒馳汽車もほぼ倒産、というかいつ倒産してもおかしくない状態である。これについては過去記事をご参照ください。

牛創汽車

日本ではほとんど知られていないが、中国ではかなり有名な「天才少年」李一男氏(注)が創設した牛創汽車は、量産直前に倒産した。

2年前の12月、牛創汽車が設立された。2021年12月にブランド名「NIUTRON」、中国名「自游家」を発表し、初の新車「自游家NV」を2022年上半期に発売して予約を受け付け、9月に納車を開始すると発表した。結局量産ができず、12月27日、公式の封筒で設立から約2年の自動車製造の道を終えたと認めた。

上述のブランド以外に、すでにゾンビ企業となっているのは、数社ある。

ベンチャー系自動車新勢力のSingulato(奇点汽車)

地場メーカーの陸風汽車

猟豹汽車など地場ブランド長豊系列の6社

QOROS Auto(観致汽車:2007年に奇瑞汽車とイスラエル政府系ファンドのイスラエル・コーポレーションの折半出資によって設立された中国の自動車メーカー)

一方、軌道に乗っているように見える他のベンチャー系自動車新勢力は、安心できるかというと、そうでもない。これらの自動車メーカーは、自らが本当に危険を脱しておらず、赤字が続いている。報道によると、1-3四半期の時点で、新エネルギー車メーカーのうち利益を上げることができたのはテスラ、BYDと上汽GM五菱のみであった。

 

注:李一男氏は、2014年に設立された電動二輪ベンチャーの「牛電科技」(Niu Technologies)の創業者である。中国ほとんどの都市に販売拠点を展開し、同社の電動二輪は20カ国以上にも輸出している。2018年10月にナスダックに上場した。

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