BYD、Geelyが ホンダ、日産を抜き 世界トップ10入り 世界自動車勢力図に衝撃

近日、各自動車メーカーの販売データが発表され、世界の自動車市場における競争構図が大きく変化していることが明らかになりました。

複数のメディアの報道のまとめによると、2025年上半期の世界自動車販売台数ランキングで、トヨタグループ(ダイハツ、日野を含む)が554万台を販売し、前年同期比7%増で首位を維持、過去3年間で最高の上半期記録を更新しました。VW(フォルクスワーゲン)は440万台を販売して第2位(前年比1%増)、現代・キアが 365万台で第3位(前年比1%増)となりました。GM(ゼネラル・モーターズ)は第4位で 298万台(前年比8%増)となりました。

一方、Stellantisは販売台数が 266万台と7%減少し、第5位に後退、GMに抜かれる形となりました。

ランキングの中で注目されるのは、BYDとGeelyが初めてそろってトップ10入りし、ホンダ、日産を上回ったことです。BYDは上半期に 214万台 を販売(前年比33%増)、フォードに次ぐ第7位に浮上。Geelyは 193万台(前年比29%増)で第8位に入りました。両社はランキング中、唯一2桁の成長率を記録したメーカーでもあります。

BYDは2022年に内燃機関車の生産を全面停止して以来、中国国内の政策支援と市場需要の拡大を背景に急成長。2023年には初めて世界トップ10入りを果たし、今年上半期には海外市場で47万台のNEV(新エネルギー車)を販売、前年比132%増を記録し、現在までに112の国と地域へ進出しています。

GeelyもNEV分野で存在感を高めており、上半期のNEV販売は100万台を超え、NEV比率は52%に達しました。独立したブランド「Galaxy(銀河)」が好調で、上半期販売台数は55万台近くに達し、前年比232%増と急拡大。Geelyは2025年の年間販売目標を271万台から300万台へ上方修正しています。

これに対し、ホンダや日産などの日系メーカーは販売ランキングで軒並み順位を落としました。

ホンダ:上半期販売台数は 178万台(前年比5%減)、順位は第9位へ後退。中国市場では 31.5万台 にとどまり、前年比24.2%減と大幅に落ち込みました。
日産:販売台数は 161万台(前年比6%減)で過去16年で最低水準となり、初めてトップ10から脱落。中国市場では 27.9万台(前年比17.6%減)と低迷しました。
スズキ:販売台数は 163万台(前年比2%減)、第10位を維持しました。

中国における内燃機関車市場の縮小とNEV普及率の上昇に伴い、日系を含む外資メーカーの中国販売は次第に縮小していることが順位変化の主因と考えられます。

一方で、中国メーカーの販売は依然として国内市場に大きく依存しているため、順位の変動が直ちに「中国メーカーの世界的な影響力拡大」を意味するわけではありません。

しかし近年、中国メーカーは海外での工場建設を加速させています。その一方で、スズキとスバルがタイ工場の閉鎖を発表し、日産やホンダも生産能力の縮小を計画するなど、他社の動きも目立ちます。こうした勢力の入れ替わりは、今後の世界自動車市場の構図に大きな影響を与えることになるでしょう。

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