新エネ車に足を引っ張られ、中国地場ブランドの利益総額は世界の自動車産業の総利益の5%にも満たない
経済誌「第一財経」によると、マッキンゼーのグローバル取締役パートナーの管鳴宇氏は、3月31日—4月2日の「中国電気自動車百人会」のフォーラムで同社記者の取材に応じた際、「2025年までに生き残ることができる中国ブランドは、世界の自動車産業の中で一角を占めるであろう。2030年には世界自動車メーカーのTOP10のうち3~4社が中国の自動車メーカーになる」と述べた。
管鳴宇氏は、「知能化電気自動車市場の繁栄は、自動車メーカーの収益力の悪化という深刻な事実の上に築かれている。中国自動車市場の規模と利益がいずれも世界の自動車産業の約30%を占めているが、地場自動車メーカーの利益総額は、世界の自動車産業の5%にも満たない。貧弱な収益力は、投資家の積極性を損ねるだけでなく、自動車メーカーが長期的で持続可能な競争力の形成を阻害する」と指摘した。
注目すべきは、2022年はフォルクスワーゲン、トヨタ、GMなどを含むグローバル自動車メーカーの販売台数が減少したものの、利益ではいずれも増加したことである。国内の地場自動車メーカーを見ると、市場の成長は勢いを増しているものの、収益力は芳しくない状況が続いている。特に新エネ車メーカーは、BYDを除き、国内の新エネ車メーカーは軒並み大幅な赤字状態にある。それは大規模な補助金が投入されたにも関わらずである。自動車新勢力であるNIOの2022年の損失額は144.4億元、Xpengの2022年の純損失額は91.4億元、理想汽車の損失額は20.1億元に達し、3社の損失幅は拡大傾向を示している。
「第一財経」の分析によると、外資ブランドは製品構造の調整を通じて資源をより利益の高い製品の生産に傾注し、同時に規模効果とコストコントロール能力が比較的に強く、国内地場ブランドと比べて、ブランド力がある。また、外資ブランドはグローバル自動車メーカーであり、欧米の成熟した市場で安定的にビジネスを展開していると同時に、これらの市場では過度な競争は存在しない。一方、国内自動車市場は競争が激しく、中国地場ブランドはグローバル自動車メーカーにならず、当面は国内市場のみで競争し、値下げ戦略で市場シェアを獲得している。今年の年明けにテスラの値下げに伴い、自動車業界は価格競争を開始したが、値下げ戦略の下で利益はさらに圧縮される。