長安汽車の朱華栄氏、新エネルギー車の「大型化・重量化」を強く批判-省エネ目標に逆行
9月1日に開幕した2024年世界動力電池大会で、長安汽車の会長である朱華栄氏は、新エネルギー車業界の現在の発展傾向、特に「大型化」と「重量化」への追求を強く批判しました。この傾向は、新エネルギー車が本来目指すべき省エネ・排出削減という目標に反し、その実際の効果を弱めていると指摘しています。
朱氏は「現在、市場に出回っている新エネルギー車は、バッテリーパックや燃料タンクの容積を拡大することで航続距離を延ばしていますが、これにより車両の重量が大幅に増加し、生産コストが上昇するだけでなく、使用時のエネルギー消費やメンテナンス費用の増加にもつながっています」と述べています。このような傾向は、新エネルギー車が目指す省エネ・環境保護という初志に逆行していると批判しました。
朱華栄氏は講演で具体的なデータを引用し、「現在、1.5トンから2トンの新エネルギー車が市場の58.64%を占めており、2トンから2.5トン以上の車種が21.89%を占めています」と述べました。一方、従来のガソリン車では1トンから1.5トンの車種が半数以上を占め、58.41%に達しています。この比較から、新エネルギー車が航続距離や性能を追求する一方で、「ヘビー級」の方向に進んでいることが明確に示されています。
朱華栄氏の批判は広く共感を呼びました。多くのネットユーザーは、「新エネルギー車が重量とサイズにこだわり続けるのは、プラグインハイブリッド車の純電気走行距離が十分でないことを隠すためだ」と指摘しています。プラグインハイブリッド車やレンジエクステンダー付きEVが「総合航続距離」を追求するのは、新エネルギー車の充電の難しさや走行距離に対する消費者の不安を和らげるためであり、本質的には消費者を欺く行為だと述べています。
朱華栄氏の警告は、業界に対して大きな警鐘を鳴らし、中国の新エネルギー車業界がその発展方向を見直し、不合理な競争に陥らないようにする必要があると注意喚起しています。今後の技術革新では、航続距離を向上させつつ車両の軽量化とエネルギー効率を維持し、グリーンモビリティの目標を真に実現するためにどのように進むべきかにもっと注目すべきであり、さもなければ新エネルギー革命の進展の中で方向を見失うことになるでしょう。