BYD、半導体事業を再編、今後子会社上場を目指す
BYDは4月14日夜、完全出資子会社のBYDマイクロエレクトロニクスの再編が完了し、「BYD半導体」に社名を改称したと発表した。同社はBYDの半導体事業を高度に集約すると同時に、増資・資本参加などの方式で戦略投資を受け入れ、株主構成を多様化し、適切なタイミングでの子会社上場を積極的に模索する。BYDはこの再編により、半導体事業の専門化と高度な集約を完了する。
発表によると、BYD半導体の業務は主にIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)、制御IC、センサー、光電半導体の研究開発、生産、販売をカバーし、チップ設計、ウエハー製造、パッケージテスト、アプリケーションなどを含めて、全産業チェーンをカバーしている。
また、10年以上の研究開発と新エネルギー自動車分野での実績を経て、BYD半導体は国内で車載グレードIGBT(Insulated Gate Bipolar Transisto=絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)のリーディングメーカーとなっている。IGBTは自動車用パワー半導体の一種であり、軌道交通、スマートグリッド、航空宇宙、電気自動車、新エネルギー設備、工業分野などの応用におけるコア技術だ。
BYDのIGBT製品ウェハ
BYD半導体は今後、車載グレードの半導体を中核とし、工業、消費などの分野での半導体の発展を同時に推進し、高効率、知能化、集積型の新型半導体サプライヤーへの成長に力を入れると表明している。
BYDの新エネルギー自動車用IGBT市場でのチャレンジは大いに褒めるべきだ。しかし、世界のIGBT市場に目を向けると、BYD半導体が占める市場シェアは2%に満たず、Infineon、三菱、富士電機、ON Semiconductor、ABB等の世界的な半導体企業と比べてもまだ大きな差がある。また、BYD半導体はIGBTの技術力についても突出に優れているわけではない。これはBYDのIGBT市場での今後の進撃が決して順調ではないことを意味している。