百度L3事業部は当面業務の主軸を自動駐車にシフト?
百度の自動運転のL3事業部はこのほど、業務の主軸を高速シーンでの自動運転から自動駐車に切り替えたと噂されている。
内部事情に詳しい関係筋によると、これまで百度のL3自動運転事業部がフォーカスしてきた業務内容は高速シーン、つまり高速道路での自動運転支援システムで、それはテスラの自動運転支援システムを完全にターゲットにしていた。しかし、今年上半期に高速道路での自動運転事業を中断し、自動駐車に切り替えた。「方向転換したのは、高速シーンでの自動運転の商業化が思うように進まなかったことが原因かもしれない」と同関係者は言う。
ビジネスの方向性を変えることで、内部で一部動揺し、 複数のL3事業部の主要技術者が上半期に退職していたことが、メディアからの話でわかった。 L3事業部の視覚感知チームは、最近辞めた5、6人を含めて、これまでに20人以上が退職した。ある退職者は、高速シーンと比べて、駐車シーンのニーズが小さく、市場の伸び代が限られると退職理由を説明した。
これに対して百度は、「百度スマートカー業務のうち、高速自動運転、自動駐車などの分野は既存の戦略に基づき、着実に進捗している。ヒュンダイ、広汽、長城、威馬など多くの自動車メーカーが百度の提携パートナーとなっており、自動停車についても、威馬などの提携パートナーとの間で、まもなく量産を実現すると発表したばかりだ」と回答して噂を否定した。
しかし多くの周辺情報は、同社のL3事業部が自動駐車を商業化の重点として推進していることを示している。今年7月に開催された百度AI開発者大会で、百度のL3事業部総経理の顧維浩氏は講演の中で、百度Valet Parking(自動駐車)トータルソリューションを重点的に言及した。百度の公式サイトによると、百度本社ビルから百度科学技術パークまでの区間で、Apollo Valet Parkingがまもなく試験運転が始まる。
百度のL3事業部は2016年9月1日に元百度地図事業部から独立した形で設立された。百度は、L3事業部が発足する一年前にすでに自動運転事業部(L4)を立ち上げた。両者の開発内容の違いについて、L3事業部は、高精度地図、レーダーや視覚装置を多用して自動運転を実現し、人間が介在するシーンを狙って高速、駐車場環境での自動運転支援ソリューションを提供する点にある。 L4事業部は、より高価なレーザーレーダーを使用して、完全に無人化されたあらゆるシーンの自動運転ソリューションをターゲットにしている。
百度は2017年3月、L3事業部、L4事業部およびコネクテッド業務を統合し、知能化運転事業グループ(IDG)を設立した。