Pony.ai、ナスダック上場を果たし、今年最大の自動運転関連IPOに
米国東部時間11月27日、Pony.ai(小馬智行)はナスダックに上場し、株式コード「PONY」で取引を開始しました。本IPOはゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカ、ドイツ銀行、華泰証券が主幹事を務め、発行価格は1株あたり13.00ドルに設定されました。投資家の熱い反応を受け、発行規模は当初予定の1500万株ADS(米国預託株式)から2000万株に拡大され、増加率は33.3%となりました。
Pony.aiは、BAIC(北汽)やシンガポールの交通運営大手・コンフォートデグロ(ComfortDelGro)といった主要な機関投資家から出資を獲得。さらにGAC(広汽)など4社が1.534億ドル分の普通株式を第三者割当増資で購入しました。本IPOにより最大4.52億ドルの資金調達が見込まれます。調達した資金は、技術開発、市場拡大、自動運転の商業化推進に使用される予定です。
Pony.aiの目論見書によると、2024年前3四半期の収益は前年同期比85.5%増加し、主要事業が強い成長を見せています。具体的には以下の通りです:
- 自動運転モビリティサービス(Robotaxi):収益470万ドル(前年同期比+422.2%)
- 自動運転貨物サービス(Robotruck):収益2740万ドル(前年同期比+56.5%)
- 技術ライセンスおよび応用サービス:収益740万ドル(前年同期比+155.2%)
Pony.aiは2016年の創業以来、累計4000万kmを超える自動運転テストを実施。L4レベルの完全無人運転商業化を実現した数少ない企業の一つです。同社が開発した「バーチャルドライバー」技術は、Robotaxi、Robotruck、技術ライセンス・応用サービスの3分野をカバーしており、商業化が急速に進展しています。
Pony.aiは北京、上海、広州、深センにおいて無人運転サービスの許可を取得しており、250台以上のRobotaxiを運行中です。サービスはAutonavi(高徳地図)、Alipay(支付宝)などのプラットフォームに統合され、2024年6月時点で1台あたりの平均日次オーダー数は15件以上に達しています。また、利用者の70%がリピーターであることが示されています。
Pony.aiは190台以上のRobotruckを運用し、累計500万km以上の走行を達成。中国最大の物流企業・中国外運(Sinotrans)や三一重工と提携し、自動運転トラックの開発と商業化を推進しています。
Pony.aiは、トヨタ自動車、GAC、FAW(一汽)、SAIC(上汽)などの主要自動車メーカーや、NVIDIA、中国外運といった大手企業とパートナーシップを築いています。特にトヨタ自動車とは2019年からRobotaxiの共同開発を進めており、2024年には合弁会社を設立して量産化を推進。2025年から2026年にかけて1000台以上の自動運転タクシーを投入する計画です。
また、同社は海外展開を加速しており、2024年にはシンガポールのコンフォートデグロと提携し、現地での商業運行を目指しています。さらに、韓国、サウジアラビアなどでも技術協力を進めています。