トヨタは自動運転スタートアップ企業のMomentaと提携

3月18日、自動運転スタートアップ企業のMomentaがトヨタ自動車と戦略的提携を実施し、カメラ画像処理技術に基づく高精度地図生成と更新サービスを提供すると正式に発表したことを明らかにした。

Momentaはトヨタと共同でトヨタの自動運転地図プラットフォーム(AMP)の中国での実用化を推進する方針を示した。

もちろんMomentaにとって、現時点で量産可能な自動運転は、本当の意味での無人運転ではなく、ユーザーに最大限に連続自動運転の体験を提供することだ。

Momentaが2019年3月に発表した量産可能な自動運転ソリューションであるMomenta Mpilotを見ると、同社の自動運転システムは主に3つのシーンでの利用を想定している。

1、高速道路向けの自動運転ソリューションMpilot Highway
2、駐車場向けの自主駐車ソリューションMpilot Parking
3、将来の市街地向けMpilot Urban

重要なのは、このシステムで採用されている高精度な地図はビジュアライゼーションプログラムに基づいて生成されており、ディープラーニング視覚認識技術及び、自己位置推定と地図作成を同時に行う技術(SLAM)を組み合わせることで、カメラ、GPS、IMUなどのコンシューマ向けセンサーのみを用いて、自動化された高精度な地図生成が可能になる。ちなみにその地図の相対精度は10cmレベルに達している。

またMomentaは、高精度な地図の生成は、「生成-更新ループ」の始まりに過ぎないと考えている。高精度地図は、継続的な更新が保証されない場合は、時間とともに価値が下がり続け、情報の陳腐化によるセキュリティリスクが高まってくる。

トータルで見れば、Momentaの高精度地図のテクノロジーパラダイムも、それにに基づく自動運転ソリューションも、早期に実用化しようとする完成車メーカーの思惑に一致しているため、トヨタを引き寄せることができるのは不思議ではない。

ちなみに、これまでトヨタは中国国内でDiDiとPony.aiにも投資している。トヨタは、DiDiとオンライン配車サービス業務で提携し、Pony.aiとは高度な自動運転技術の開発で提携しているが、いずれもとMomentaとの業務上の衝突はないという。

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