Veoneer、中国で自動運転を挑む
「Veoneerの技術力は中国で何位だと思うか?」
「2番目かと思う。1番目と言うと誤解を招きやすいから」とVeoneer中国区研究開発総監督の席厚金氏は自社の技術に対する自信を隠さなかった。
Veoneerの前身はスウェーデン最大の自動車部品メーカーAutolivで、2017年末に正式に分社され、全世界で8000人以上の従業員を抱え、高度なドライバー支援システムや自動運転技術に専念している。
2016年4月、席厚金氏はVeoneerに入社して、中国地区技術チーム責任者に就任し、システム設計から最終検証まで、自動運転ソリューションの研究開発チームを立ち上げ、レーダー、ビジュアライゼーション、ADAS、ECU、RCS、ADAS、自動運転システムなど多くの製品ラインをカバーしている。当初は、100人以下のチームだったが、3年間で約600人に増加した。
Veoneerは中国で初めて姿を現したのは2018年4月で、当時同社の中国自動運転チームはすでに一定の初規模があり、国内初のレーダー関連プロジェクト、カメラ関連プロジェクトおよびL3関連プロジェクトを獲得して、ビジュアライゼーションシステム、ミリ波レーダー、データ融合、意思決定制御ソフト、暗視技術などVeoneerのコア技術をメディアにアピールできた。
今年4月、Veoneerは2回目の体験デーイベントを開催した。カメラは、3世代から4世代に、視野を52°から100°に拡大し、精度と画素数が向上した。席厚金氏によると、同社はすでに吉利汽車の自動運転事業の85%の受注を獲得しており、うち18年版SUVの1車種で製品の量産を実現している。「2017年末には、当社は先行技術開発を開始し、約1年間の摺り合わせを経て、徐々に当社の技術とサービスに対する吉利汽車の信頼を獲得した。そのほか両社の自動運転戦略が一致していることから、長期的なパートナーシップ関係を結んだ」と席氏が語った。
しかしいくら「名門出身」のVeoneerでも、プレッシャーがないわけではない。5000人以上のR&Dエンジニアと毎年約30%のR&D費の負担が利益を圧迫して、Veoneerは今も赤字を出しつづけている。巨額の先行技術投資が必要である一方、経営を維持するために、より多くの注文を獲得しなければならない。リソースや人手が限られているため、現段階でVeoneerは規模の大きい自動車メーカーしか取引の相手にしていない。
席氏によると、Veoneerは22年に世界で40億米ドル、25年には60億米ドルの売上高を達成する見込みだが、中国市場は20-25%のシェアを占める。また席氏は、「われわれは全世界で192億米ドルの受注残を持っているが、売上高に変わるのに2-3年のタイムラグがあり、2020年から納品を始める見通しだから、先が明るい」と紹介した。