WeRideとUber、UAEで自動運転Robotaxiを共同展開―投資家信頼を強化へ

9月25日、自動運転スタートアップのWeRide(文遠知行)は、Uber Technologies, Inc.(以下、Uber)と戦略的パートナーシップを締結し、WeRideの自動運転車両をUberのプラットフォームに導入するため、両社が共同で推進していくことを発表しました。

協定によれば、この提携の主な目的はアラブ首長国連邦におけるRobotaxiサービスの普及であり、年内にもアブダビで本格的に始まる予定です。現地の乗客は、Uberアプリを使ってタクシーを呼ぶ際、WeRideの自動運転車両を選択できるという新しい移動手段が提供されることになります。

2023年7月には、WeRideはUAEで初かつ唯一、国家規模での自動運転車両の公道走行許可を取得しており、UAE全土でのテストと運用が認められています。現在、WeRideはUAE最大の自動運転タクシー(Robotaxi)チームを運営しています。

注目すべき点は、今回の提携がアメリカおよび中国市場には適用されないことです。

WeRideは自動運転技術の商用化で進展を見せている一方、財務状況は依然として厳しい状態です。同社の目論見書によれば、2021年から2023年にかけての累積損失は16億元を超え、2024年上半期の損失はさらに3.16億元に拡大しています。主な要因は多額の研究開発費で、2021年から2024年にかけての研究開発費用は合計27.77億元に達しています。

WeRideは今年8月にアメリカでの上場を予定していましたが、書類の更新が遅れたため、上場が延期されました。この延期は、投資家に同社の財務状況や業界の見通しを評価する時間を与える一方で、不確実性を生じさせました。自動運転業界における高額な投資コストと商業化の遅れが原因で、WeRideは今後も大きな課題に直面しています。

現在、WeRideはUberのような大手企業との提携を通じて市場の信頼を築き、投資家の懸念を払拭しようとしています。今回のUberとの提携は限られた市場での展開にとどまるものの、同社の信頼性と評判の向上に寄与する可能性があります。

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