政策の後退か、L5級の完全自動運転の実用化は10年延期
2016年、中国汽車工程学会は「コネクテッドカー技術ロードマップ」1.0版を発表し、コネクテッドカー産業の発展体系の構築を支え、コネクテッドカー産業の発展のために方向性を確立した。
4年ぶりの11月11日、「2020世界コネクテッドカー大会(WICV2020)」において、国家コネクテッドカー革新センター首席科学者の李克強氏は「コネクテッドカー技術ロードマップ」2.0版(以下は「ロードマップ2.0」)を発表した。
ロードマップ2.0は複数の内容を改訂しており、その中で最も重要な自動運転生産応用目標について調整を行っている。ロードマップ2.0では、中国は2025年にL2/L3級の自動運転技術を搭載する割合を25%から50%に引き上げることを要求しているが、L5級の完全自動運転技術の実用化時期は2025年から2035年に延期されている。
具体的に見ると、ロードマップ2.0が打ち出した目標は、2025年までに、PA(L2)、CA(L3)級コネクテッドカーの販売台数がその年の自動車総販売台数に占める割合が50%を超え、HA(L4)級コネクテッドカーが市場に参入し、特定のシーンと限定区域で商業化応用を実現することだ。2030年までに、L2/L3クラスのコネクテッドカー販売台数の割合は70%を超え、L4クラスの車両の割合は20%に達する。2035年までに、各種のネットワーク化高度自動運転車両が広く実用化する。2035年以降、L5クラスの自動運転乗用車が実用化するようになる。
「L2級の自動運転はADASを中心に普及速度が速く、現在L2の新車積載率実績はほぼ20%に達している。…L3クラスの自動運転の実用化は言及されていない。…既存の規制では両者の区別が難しいので、L2とL3を一緒にされた」とある業界関係者は、L2/L3の目標を引き上げられた理由を説明した。
ロードマップ1.0で設定された目標は、2025年までにL4/L5級の自動運転車が自動車市場に参入し、2030年までにL4/L5クラスの自動運転技術が搭載された新車を10%にする。
前出の関係者は、「L5級自動運転の市場参入時期を遅らせたのは、政策法規、技術基準、シーン区分、監督管理など課題が多く、技術進歩も当初想定していたほど早くなかったからだ。…ロードマップ1.0の時の判断はあまりにも急進的だった」と指摘した。