過剰投資により、中国の動力電池稼働率が41%に低下か
2023年以降、中国の新エネルギー車市場は急速に伸長していますが、保有台数の増加に伴い、新エネルギー車の成長速度は2022年の90%以上から、今年10月には30%前後に低下しており、動力電池の生産能力利用率も2022年より明確に低下しています。そのため業界の専門家は、動力電池の生産能力が過剰になるのではないかと懸念し始めています。
中国汽車動力電池産業革新連盟の統計によれば、2022年末までの中国の動力電池の生産能力は1260Gwhでしたが、2023年6月末までには1860Gwhに増加しました。中国の動力電池の生産能力利用率は2022年に51.6%で、2023年には41%に低下する可能性があります。
また、統計によれば、2020年には中国国内の動力電池の生産拡張プロジェクトが26件あり、総額は1370億元を超え、動力電池の生産能力は400GWhに達しました。2021年には動力電池の投資拡張プロジェクトが63件(調達投資プロジェクトを含む)あり、投資総額は6218億元を超え、生産能力は2.5TWh以上増加する計画です。2022年には、中国国内のリチウム電気産業への投資総額が1.4兆元を超え、動力およびエネルギー貯蔵リチウム電池プロジェクトの投資額の約2/3を占めました。CATL(寧徳時代)、BYD、CALB(中創新航)、GOTION(国軒高科)、SUNWODA(欣旺達)などの2025年計画生産能力はそれぞれ670 GWh、600 GWh、500 GWh、300 GWh、200 GWhに達する予定です。
中国科学院院士の欧陽明高氏は、中国の電池生産能力は2025年に3000GWhに達する可能性がある一方、出荷量は1200GWhにとどまり、生産能力の過剰が顕著だと述べています。
中国自動車動力電池産業革新連盟のデータによれば、今年1-11月、新エネルギー車市場では49社の動力電池メーカーが量産を実現し、前年同期より7社減少しました。
一方、動力電池生産能力過剰は事実ですが、過剰に心配する必要はないとの見方もあります。一部の業界関係者は、能力過剰を引き起こした主な要因となる地方政府の高額の補助金を削減すれば、動力電池の生産能力の拡張速度は落ちると見ています。