CATLとステランティス、スペインに40.38億ユーロの電池工場建設で提携強化

12月10日、CATL(寧徳時代)はステランティスグループおよびその子会社と合弁契約を締結したと発表しました。契約に基づき、両社はスペイン・アラゴン州サラゴサ市に合弁会社を設立し、その主体で大規模なリン酸鉄リチウム電池工場を建設する予定です。プロジェクトの総投資額は40.38億ユーロに達し、CATLとステランティスはそれぞれ50%の株式を保有し、共同でプロジェクトを推進します。

協力の背景と計画

今回の協力は、両社が長期的な戦略関係を深化させる重要な一歩となります。計画によると、電池工場の建設期間は4年間で、2026年末に生産を開始し、年間生産能力は50GWhに達する見込みです。CATLはこの協力により、両社の強みを最大限に発揮し、世界的な電動化およびクリーンエネルギーへの転換を支援すると述べました。この取り組みはCATLのグローバル戦略と一致しており、国際競争力のさらなる向上にも寄与します。

2023年11月、両社は非拘束的な基本合意書を締結し、ヨーロッパにおける電気自動車用電池の現地生産を推進することを目指していました。今回の正式な合弁契約の締結は、この協力計画が具体化したことを示しています。合弁会社の取締役会は4名で構成され、両社がそれぞれ2名の代表を指名し、取締役会会長とCEOはCATLが任命します。

ステランティスグループは、新工場がリン酸鉄リチウム電池の生産に特化し、中航続距離のBセグメントおよびCセグメント市場での競争力を一層強化すると述べました。工場の具体的な生産能力は、ヨーロッパの電気自動車市場の成長およびスペイン政府やEUの支援に依存します。取引の完了は2025年を予定しています。

CATLのヨーロッパ戦略

今回の工場は、CATLにとってヨーロッパ初の合弁工場となります。これ以前にCATLは、ドイツとハンガリーですでに工場を展開しています。ドイツ工場は2023年1月に稼働を開始し、初期生産能力は14GWhを計画しています。また、ハンガリー工場は2025年後半の稼働を目指しており、年間生産能力は100GWhに達する見込みです。これらのプロジェクトは、CATLがグローバル展開を着実に進めていることを示しています。

ステランティスグループの電動化戦略

ステランティスグループにとって、今回の協力は2038年までにネットゼロカーボン排出企業となる目標を達成するための重要なステップとなります。同社は、三元系リチウム電池とリン酸鉄リチウム電池という二つの電池化学体系を採用し、さまざまな顧客ニーズに対応しています。さらに、外部パートナーとの協力を通じて電気自動車の展開を加速しています。2023年10月、ステランティスは中国のLeapmotor(零跑汽車)と合弁会社を設立し、電気自動車のグローバル展開を進めています。

今回のCATLとの提携は、ステランティスがヨーロッパ市場でさらなる飛躍を実現する助けとなり、電動化戦略およびカーボンニュートラル目標の達成に向けた強力な支援となるでしょう。

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