中国工業情報化部、電動自転車への使用済み車載用動力電池再利用を禁止へ

10月17日、中国の市場監督総局など関係部門は、車載用動力電池のリサイクル利用に関する標準化をテーマとした記者会見を開催しました。会見で、中国工業情報化部節能司の尤勇(ヨウ・ヨン)一級巡視員は、中国における新エネルギー車(NEV)の生産・販売が急速に拡大する中、動力電池が大規模に退役する時期がまもなく到来すると述べました。2024年には新エネルギー車の生産台数がすでに1,300万台を突破しており、今後は動力電池の回収・再利用を制度的に整備することが、環境保護や公共の安全、そして産業の健全な発展にとって極めて重要だと指摘しました。
尤勇氏は、工業情報化部が「標準化」という手段を通じて、動力電池のリサイクルを推進してきたことを紹介しました。「第13次五カ年計画」以降、同部は市場監督総局などと協力し、電池の識別コード規則や材料回収要件など、30項目以上の国家および業界標準を策定し、動力電池リサイクルの標準体系をおおむね構築してきました。今年2月には、国務院弁公庁が「新エネルギー車動力電池リサイクル体系の整備行動計画」を公布し、「標準体系の充実」などの重点課題を明確にしました。
今後、工業情報化部は市場監督総局などと連携し、同行動計画の実施を進め、協働体制を一層強化したうえで、次の三つの分野を中心に標準整備を加速させる方針です。
第一に、源流管理を強化し、グリーン設計の標準を充実させます。動力電池のサイズや仕様に関するグリーン設計標準の策定を急ぎ、電池メーカーや新エネルギー車メーカーに対し、共通規格に基づく資源節約型で、分解や再利用がしやすい設計を促進します。
第二に、プロセス管理を強化し、リサイクル利用の標準体系を整備します。残余電力の検査、放電、保管、再利用などに関する標準を継続的に見直し、製品のカーボンフットプリント算定、再生資源の認定、利用率の計算方法などの新たな標準化を推進し、産業の発展と歩調を合わせます。
第三に、安全基準を堅持し、製品安全標準を強化します。「車載用動力電池の分解・破砕に関する安全技術要件」などの強制国家標準の策定を加速し、動力電池リサイクルの各工程における安全確保を徹底します。尤勇氏はまた、「電動自転車用リチウムイオン蓄電池安全技術規範」などの強制標準を厳格に実施し、電動自転車などの分野で使用済み動力電池を再利用した製品の使用を明確に禁止する方針を強調しました。